|
カテゴリ:世情
「だれかお医者さんはいませんか!!」
女性の声がした。 都心に向かう連休明けの朝の満員急行電車。 身動きがとれない。 長くかんじた一呼吸くらいの後に、 座っていた40代半ばの男性がすっくと立ち上がって、 立っているわたしの数人先のところに来て、 非常通報ボタンのカバーを破り、力強く押した。 大きな音が鳴り響き、しばらくして電車は隣の駅で急停車。 窓を素早く開けて 「急病人はこの車両です!」という男性もいた。 「意識がないみたい、、」とまわりの小さな声が聞こえていたが、 30代半ばの大きなサラリーマン風の青年は、血の気のない顔で駅員にささえられて 駅舎にむかった。 事が終わる頃、非常通報ボタンの下のマイクから 電車の運転手の 「このボタンを押した方はいませんかあ。状況を話してください」 と、少し、間の抜けた声が聞こえてきた。 この間、停車時間は4分。 なんとなく、気持ちのいい、朝の満員電車の車両だった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年05月09日 01時37分07秒
[世情] カテゴリの最新記事
|