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カテゴリ:世情
ロシア語通訳でありエッセイスト、最近は文学者の風格だった
米原万里さんが、亡くなられた。 56歳。これからの活躍が期待されていただけに、とても残念だ。 NHKの「世界わが心の旅」というシリーズで プラハ時代の3人の同級生を訪ねる旅には、じつに感動して、 以来この人を注目していた。 日本ペンクラブ編『それでも私は戦争に反対します』 米原万里「バクダッドの靴磨き」も読ませたが、 『オリガ・モリソヴナの反語法』(集英社)をわたしは一番にあげる 2002/11/16 にこんなことを書いた。 涙ぼろぼろのノンフィクション 『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』も今年のベスト3は確定といったけれど、 はじめての本格的な小説で、ここまで書いちゃうとは、、、、 サスペンス風だからあらすじは書きませんが、 同時代史がバックにあるからまるで自分史のように、 主人公の体験を共有してる感じがします。 しかし、ラーゲリ(強制収容所)の過酷な重労働や耐え難い寒さ、 不潔不衛生と貧弱な食事の辛さよりも、 生きようとする力を奪ったのは、 ラジオ、新聞、肉親との文通まで外部からの情報をいっさい遮断されたこと。 本と筆記用具の所持を禁じられたこと。 その彼女たちは、 役者は一人芝居を、俳優は「オセロ」を一人で全訳をこなしはじめ、 それぞれの記憶にある『戦争と平和』や『アンナ・カレーニナ』など再現したという。 「自由の身であった頃、心に刻んだ本が生命力を吹き込んでくれたんですよ」 このフレーズには、なんとも、涙がとまらなかった。 おそるべし。米原万里(^_-) めざせ!ノーベル文学賞! あまりにも早い。ガンが恨めしい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年06月01日 01時00分14秒
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