部活動について思う
今、クラブの練習は、だいたい午後1時~午後4時ぐらいの間でやっている。一番暑い時間帯だ。でも、ここ最近は暑いけども空気が乾燥していてカラッとしていることが多いので、わりと楽だ。今までは、耐えられないような湿気があり、それで体力と気力が奪われていたが、今はそれが少ないのでありがたい。終了間際の4時ぐらいになると、暑さはほとんど感じない。5時を過ぎると、わりと涼しい風が吹いてきて「そろそろ夏も終わりか」と感じさせる。1年生と2年生だけのチームになって、ほぼ1ヶ月がたつ。3年生がいた時は、マトモな練習もなかなかできなかった。それは3年生が悪いのではなくて、今までからそういう体制の中でしかやってこなかったからだ。新チームになった時、私は大ナタを振るった。このダラダラとヤル気のない組織を一変させなくてはならないからだ。まず生徒に言ったのは1 あいさつをすること2 声を出すこと3 移動はかけ足でこの3点です。チーム〈組織〉の体質を変えなければならないことを、最初にしっかりと説明し、その為やったら「俺は鬼のようなこともする」と宣言し、まずは、子どもに理解と納得を促してから新チームをスタートさせた。1年生〈15人〉は、普段から私が授業とか行事とかで関わっている学年であり、信頼関係が築けているので、ほとんど何の問題もなくいつもよく動いてくれる。それに何よりも大きいのは、去年までのダラダラ状態を経験していないということだ。新しい白紙の状態で4月から私と接しているので、ほとんど苦労することはない。問題は2年生。全部で19人在籍しているが、いつも練習に来るのが10人ぐらい。来ても、ほとんど何もしないで遊んでいるというのが1ヶ月前までの状態だった。そして、新チームになって1ヶ月がたった現在。練習に来る人数は10人ちょっとと変わらない。来ない者は完全に来なくなった。しかし、来ている者の練習姿勢は明らかに変わった。きちっと練習に取り組み〈当たり前のことなんだけど以前はできなかった〉、野球部の練習という形はできあがってきた。まだまだ声は出ていないが、あいさつやかけ足移動などは言われなくてもできるようになってきた。まさしく改革の第一歩を踏み出したという感じだ。この1ヶ月間、盆休みを除くとほとんど毎日、練習と試合で「あいさつしろ」「声を出せ」「走れ」と言い続けたことが、ほんのちょっとだけど実ってきた感じだ。最初は、私が「集合!」と言っても集まることもできなかった。それが今はサッとかけ足で円陣を作るまでになった。これだけでも「よしっ」としなければならない。野球の技術的なことを教えるなどというのは、まだまだ先のことである。それは仕方がないと思っている。昨日も最後の円陣の時に、「よくやってるな、特に2年生はよく動いているぞ」と私は最大限に評価した。私はクラブの時は、ほとんどほめたりしないんだけど、今の2年生の様子には80点ぐらいの点数をやれると思う。明日、初めての公式戦〈地区大会〉があるが、勝ち負けなどは全く関係なしに「全員で全力でやる」ということが実際にできるかどうか〈情けない目標だけど〉ということにある。それができたならば、負けても何の問題もない。まだ現段階では勝ち負けどうこうという状況ではないからだ。改革の第一弾はうまく滑り出した。次は、私がグランドにいなくても、同じような練習ができるかどうかである。「おそらくできない」と私は思っている。今は、私が四六時中そばについているから、できているだけで、自分たちだけになったら〈以前ほどではないだろうけども〉ダラダラ状態になると思う。次は、それをキチッとさせていく段階に入る。押しつけではなくて、うまく気持ちのつながりを持たせながらやっていかなくてはならない。このやり方は、私の最も得意とするところである。しんどいけどもやりがいのあることだ。確かにしんどい。クラブ活動の指導は、いわゆるボランティアの部分が多くて「やってもいいしやらなくてもいい」ものである。土・日などは休日なんだから出て行く必要は全くないわけだ。しかし、子どもらが熱心に前向きならば「やってやろう」と思う。ただそれだけで、休日返上でやっている先生も多い。私はそんなにクラブ活動には熱を上げている方では決してないが〈若い時はムチャクチャやっていたが〉、子どもらが前向きならば手伝ってやろうと思う。それに、野球がやれるということも感謝したい。野球は私の専門だからだ。心ならずも専門外の競技を持たなくてはならない人もいっぱいいる。あれほど苦痛なことはない。私も過去に、バスケット・サッカー・テニスの顧問を経験したが、本当に辛いことが多かった野球がやれるということに心から感謝したい。さあ、今日も午後から練習だ。感謝の気持ちを忘れずにやりたいと思う。