カテゴリ:ちょっとショートストーリー
「雨の中の光(第3話)」
その時、軽快な音楽に乗って、美咲の携帯にメールが届いた。「うん?」と言ってのぞくと、それは昨日別れた彼からのメールだった。ご丁寧にタイトルは「さようなら」となっている。中を見ていくと、「・・美咲は本当にかわいいけれど、周りの人にもう少し気を使った方がいいんじゃないかと思う。たとえば、お母さんの・・」 そこには彼なりの美咲への優しい思いが詰まっていたのが、美咲にはまたしても自分に文句をつける人の出現に頭に血が上っていった。「どうして、どいつもこいつも私のことをあーしろ、こうしろ、っていうのよ!私は私なりにちゃんと生きてるし、人のことだってちゃんと考えてますっ!」「だいたいねぇ。別れた男がなれなれしく人の携帯にメールしてくんじゃないわよ!どう思う!?」 キッとにらみながら質問してくる美咲に真紀は、「うーん」と言いながら、答えた。この辺も真紀のいいところである。 「メールってさ、なんだか絆っていうか、希望なのよね。」「人恋しいけど、深くかかわりたくないときってあるじゃん。それにはメールくらいがちょうどいいのよね。後に残らないし。気に入らなければ拒否できるし。電話かけづらい時にもメールなら美辞麗句並べたりできるじゃん。まぁ、届かない夢みたいなもんよ。」 うーん。さすが有名大卒は違うな。と美咲は関心しながら聞いていた。「ふーん。そっか。キボウかぁ」なんとなく納得したような気分で美咲は最後のラーメンの汁をすすった。 「あーおいしかった。」美咲はすっかり満足して店を出た。真紀にありがとう、また行こうね。と言ってから地下鉄へと向かった。滑り込んできた電車に乗り込み、美咲は席に座ってうつらうつらしていた。 ふっと目が覚めて、見上げると、なんとそこに昼間の昇が立っていた。。。 「ん?」悪夢・・? (明日へ続く) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Oct 18, 2006 06:58:18 AM
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