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明日の風の吹く場所から・・

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Oct 21, 2006
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「雨の中の光(第7話)」


「えっ?」驚く美咲に真紀は続けた。

「昇が転校したいって言い出したの。家族も先生もその方がいいな、っていうことになったの。けど、私は転校する前にそのメールをくれた彼女には必ずお礼を言うのよ、って昇に言ったわ。だって当然よね。昇は人生を救ってもらったのだもの。そしたら昇はこう言ったの。「わかった。僕もそう思う。けど、何か自分が変わったことを証明してから、お礼を言いたい。」
 そして続けてこう言ったの。「ねえオネエ、オネエの周りに誰か生き難そうにしている人いない?その人に僕が自分のこと伝えて、僕みたいに生き方を変えてあげる。きっとできるよ。そしたら僕、胸をはって彼女にお礼ができるな。」それは難しいんじゃないかな、と思ったけれど、一生懸命頼む昇に負けて、誰か紹介することにしたの。身の回りで、なんだかうまく生きれてない人・・」

「それが私!?」美咲がすっとんきょうな声で聞くと、真紀はちょっとうつむきながらゆっくりうなずいた。「そんなに私っておかしい?うーん。。そうだったんだ。。なんだか裏切られたような、心配されてるような、複雑な気持ちだけど。。それで昇くんはわざわざ私に会うために昼間現れたりしたの?」

「多分そうだと思う。昇、私から話をいろいろ聞いたあと、自分でいろいろ作戦を考えたみたいで、いろんな下調べもしてたっぽいから。。それに昨日私に、明日はきっとうまくいくよ。それにその彼女に送る特別なメールもちゃんと考えたんだよ。そう言って、すごく嬉しそうにしてた。」

「そっかぁ。。」複雑な気持ちのまま美咲はうなずいたが、ふと大事なことに気づいた。そうだ!っていうことは、昇くんはもうメールを書いてるんじゃない?
 きっとこの携帯の中に。二人は顔を見合わせて、ICUの部屋を少しだけ盗み見てから、携帯を開けた。

メールの発信のところに、未送信の保存メッセージがあった。しかもタイトルは
「美咲さんへ」となっている。恐る恐るクリックすると、

 メールの書き出しはこんな風だった。

「初めまして。っていうか、今日はお疲れ様でした。色々失礼なこと言ってごめ
んなさい。でもこうして僕のメールを美咲さんが読んでくれていると思うと本当
に嬉しいです。。。

(明日:最終話へつづく)





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Last updated  Oct 21, 2006 10:13:13 PM
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