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いしけいからの穏やかな日常と伝えたい思い

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December 21, 2011
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テーマ:お勧めの本(7407)
カテゴリ:読書

このところ闘病記、それも今年はご主人が奥さまを悼んで書かれたものをよく読みました。

別なジャンルも読んでみようと思っている時、本屋さんの文庫本のコーナーでお勧めの本としてこの本を見つけました。

沼田まほかるさんの名前も初めて聞きました。

何冊かあったのですが、私は猫の話だろうと思ってこちらを選びました。

この本は3部構成です。

1部を読んだ時、この本は猫の虐待の話かと思い、ちょっと買った事を後悔しました。

家に捨てられていた子猫を信枝は何回も捨てに行き、その猫は何回も又家に戻ってくるのでした。

だんだん帰れなくなるほど遠い所に捨てに行くのですが、猫を捨てた少女に聞かれたり、ご主人やその仕事仲間に話をするうちに、やっと飼おうという気持ちになり、ああよかったと読んでいる方もほっとしました。

さらに2部では不登校の少年が公園で殺意を抱きながら小さい子を見ていて、少し前の少年の事件を思い出してしまい、怖い話だと思いました。

2部には大きく育った1部で飼われた猫と捨てた少女との関わりも出てきて、2部にも関連性があったのだと気づき、さらに実際に刺さずに未遂で終わり、父親も少年の気持ちを理解するようになり、希望のある結末でホッとしました。

少年はペンギンに似ている子猫を育てその猫の死を見て、小さいものに対する気持ちに変化が見られて良かったなと思いました。

第3部は1部から20年が経ち、妻に先立たれた1部に出てきたご主人が高齢になり20年生きた猫を死ぬまで見守る日々を書いています。

だんだん猫がえさを食べなくなり、赤い尿が出て、水も飲まなくなり、返事もできなくなっていく変化が細かく書かれています。

私の家にいた昨年死んだシロと同じだと思いながら読みました。

獣医さんの言葉から、自然な死を受け入れようとしていく心情の変化がとても細かく描写されています。

最後まで読むと、作者はやはり猫が好きなんだと安心しました。

この本はドキドキハラハラしながらも最後は感動し、やはり読んで良かったと思わせる展開です。

ちょっと過激な所もありますが、生と死についてこれほど上手く書いている本はないのではと思いました。

すっかり沼田まほかるさんにはまってしまいました。

お勧め文庫本はやはりとても良かったです。

とても読みやすく面白く引き込まれる本ですので、是非読んでみてください。






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Last updated  December 21, 2011 02:30:58 PM
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