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テーマ:お勧めの本(7405)
カテゴリ:読書
昨日のブログにコメントありがとうございました。
年末の入院で忙しかったですが、クリスマスには家に帰れて良かったです。 病院でも年末年始は緊急の手術や入院だけだと思います。 入院中同じ部屋にいた足の骨折の方も退院できなくても年末年始は一時的に家に帰れるようでした。 特に好き嫌いは無いですが、病院だと好きなものは食べられないです。 健康には良さそうですがお刺身などの生ものや揚げ物は無かったです。 しばらく買い物に行っていなかったので野菜などはほとんどなかったのでたくさん買えて良かったです。 1人でも買えるものや買い忘れたものはもう一度年内に買おうと思いますが、重いものは主人と車で行けて良かったです。 今年は大きなローストチキンを買いましたが、母や私には少し量が多すぎました。 オードブルもほとんど主人が食べました。 好きなものが食べられるようになっても一度にたくさんは食べられないです。 入院中から読んで「猫を棄てる」を読み終わりました。 この本は文庫本になったのに気がついてすぐに買いました。 文庫本でもページ数は少なくすぐに読み終わりました。 この本には挿絵が多くてその絵もほのぼのとあったかみのある絵で素敵でした。 まず題名に衝撃を受けましたが、これは村上春樹さんが子供の頃父親と自転車で猫を棄てに行ったのに家に帰ったらその猫がもう家にいたという驚きのエピソードから付けられたようです。 結局その猫はその後捨てずに飼うことにしたようですので良かったなと思いました。 その猫を棄てに行ったのも一軒家で特に飼えないわけでもなかったので理由がよくわからないようです。 この本はサブタイトルにあるように父親について書かれています。 父親は京都のお寺の次男に生まれて、仏教の勉強をする西山専門学校に通っていて途中で徴兵されて戦争に行ったけれども1年で兵役を終え復学してその後京都帝国大学文学部文学科に入学したそうでした。 その後大学院に進んだけれども結婚し春樹さんが生まれて、生活費を得るために甲陽学院の国語の教師になったそうでした。 父親は西山専門学校に入ってすぐに俳句が好きになり教師になってからも俳句を詠んでいたそうでした。 母親も出産するまで国語教師で教えていたそうでした。 父親が生きているうちには戦争の体験など聞いたことがなかったそうですが、父親が亡くなった後父親に関係するいろいろな人に会って少しずつ話を聞くようになったそうでした。 村上春樹さんはこういう個人的な文章がどれだけ一般読者の関心を惹くものなのかわからないと書いていますが、私は関心を持ちました。 作家になったのは両親の影響が大きいのだなと感じました。 あとがきを読んだら、父親のことは文章にしたいと思っていながらなかなか取りかかれなかったけれども父と一緒に猫を棄てに行ったことを思い出してから文章が自然に出てきたそうでした。 書きたかったことの一つは戦争というものが1人の人間の生き方や精神をどれほど大きく深く変えてしまえるかという事だそうでした。 「父の運命がほんの僅かでも違う経路を辿っていたならもし兵役解除されずフィリピンあるいはビルマの線戦線に送られていたら僕は存在していなかったはずだ。歴史というのはそういうものなのだ。 ここに書かれているのは個人的な物語であると同時に、僕等の暮らす世界全体を作り上げている大きな物語の一部でもある。」 「当たり前の事実、ひとりの平凡な人間の、ひとりの平凡な息子に過ぎないという事実、を掘り下げていけばいくほどひとつのたまたまの事実でしかなかったことが明確になってくる。 言い換えれば我々は広大な大地に向けて降る膨大な数の雨粒の名もなき一滴に過ぎない。しかしその一滴の雨水には一滴の雨水なりの思いがある。一滴の雨水の歴史がありそれを受け継いでいくという一滴の雨水の責務がある。それを忘れてはならないだろう。」 父親のことを調べていくうちに自分の生きている意味、意義についてを書き残そうとしたのかなと思いました。 NHKでもファミリーヒストリーという番組がありますが、自分の先祖を知ることは今残されている人にとっても意義がある事なのだろうなと思います。 短いのですぐに読めると思います。 村上春樹さんのことが知りたい方、興味がある方は読んでみてください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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