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テーマ:お勧めの本(7406)
カテゴリ:読書
昨日のブログにコメントありがとうございました。
私は母と住んでいるので帰省することはありません。主人も両親ともに亡くなっているし団地住まいで義父は施設で亡くなったので実家も無いです。義父母は高知の出身ですが高知に帰ることも無かったです。 これからは少子化でお盆に家族が集まることも減ってきているのかなと思います。 お盆の時期は病院が休みになってしまうので急に体調が悪くなると心配ですが、今年も母が元気で介護の心配がないだけ私は恵まれていると思います。 息子が帰って来ないのは少し寂しいですが親に頼らず一人で元気でやっているならいいのかなと思います。 桜木紫乃さんの「家族じまい」を読み終わりました。 今年の集英社文庫のナツイチフェアで一番読みたかった本でした。 この本では北海道に住む一家のことが娘や姉などそれぞれの視点で書かれています。 いろいろな家族の問題点について書かれています。 母親の認知症、父親の介護疲れ、父親の弟の結婚と母親、親子関係、高齢者の運転免許の返納などのことが出てきます。 この本は第15回中央公論文芸賞を受賞しています。 桜木紫乃さんは「認知症になった母が私の名前を忘れたのがきっかけとなったのですが、編集者に「墓じまいがあるなら家族じまいはどうですか」と言われて、そこに向けて書くようになりました」とインタビューに答えているそうです。 5章に分かれて5人の女性の視点で書かれているのですが、1章の長女智代が作者に一番近いようです。 最初妹の乃理から「ママがね、ぼけちゃったみたいなんだよ」と電話が入ることから物語が始まります。 智代の子供たちは家を出て年末年始も帰って来ません。夫婦二人だけの生活です。お正月に久しぶりに両親の所に行きます。 第2章では智代の夫の弟の嫁とりの話です。55歳の義弟に嫁いだ28歳の陽紅の視点から書かれています。 義弟は母を安心させるために母が農協の窓口で気に入った陽紅と結婚を決めます。陽紅も条件がいいので受け入れますが義弟が結婚後も体に触れることが無いことに疑問を持ち悩みます。 第3章では妹の乃理の視点から書かれていて、親と同居するけれど子育てと母親の介護に疲れて夫に当たったりお酒を飲み過ぎるようになってしまいます。 第4章ではこの家族とは関係のないサックス奏者の女性の視点で書かれています。何でこの女性が出てきたのかと思ったら父母が船旅に出た時演奏を聞いてその演奏が気にいって話すようになったのでした。 父親の方も介護疲れの気持ちを誰かに聞いて欲しいという気持ちがあったのかなと思いました。 第5章では認知症の母の姉が出てきます。二人の娘はいるのですが娘たちからは縁を切りたいように言われてしまいます。姉は離婚してから温泉旅館の仲居で70歳まで働いていました。 妹のことが心配で訪ねに行って最後に二人で100円のプリンを食べます。 認知症の妹は本当は糖尿病で甘いものを禁止されているのに二人で内緒で食べるシーンが心に残りました。終わり方も良かったです。 タイトルの「じまい」について作者は「終い」ではなく「仕舞う」イメージだったそうです。 認知症の介護について家族についていろいろ考えさせられました。 解説の人も書かれていますが背景が北海道でその描写の美しさもこの話の魅力です。 桜木紫乃さんの小説の舞台はいつも北海道なのがいいです。 最も北海道らしい作家は渡辺淳一さんと答えられたそうですが、これからは桜木紫乃さんだと思います。 私は今まで渡辺淳一さんの本をたくさん読みましたが、これからは桜木紫乃さんを読んでいきたいと思いました。 気になる人は読んでみてください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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