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きらめき星の世界

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2006.07.18
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カテゴリ:音楽

かなか梅雨が明けませんねえ。

ああ、久しぶりの日記だ。

先週の土曜日に大阪で加古隆のコンサートに行ってきました。
4月に発表されたアルバム「ピアノ」のコンサートツアーです。(39回目の記事参照)

http://plaza.rakuten.co.jp/kirameita/diary/200604250000/ (39回目)

これまでに発表された作品とアルバム中の作品の2部構成。「白い巨塔」、「博士の愛した数式」、「大河の一滴」の曲も演奏されました。基本的に加古さんの作品は全部好きです。

気が付けばコンサートに足を運んだのはこれで3回目アンド3年目。CD屋では取り寄せないと売ってない加古さんのアルバムを(敢えてネットで買わずに・・)会場で買うのが恒例になっているなあ。

今回買ったのは、

「アポカリプス-黙示録」 (1989年)

ブラジル出身の舞踏家であるイズマエル・イヴォ氏と舞踏演出家の天児牛大(あまがつ・うしお)氏とのコラボレーション作品。ダンスのための音楽。

apocalypse_t.jpg

ダンスパフォーマンスは1989年ウィーンと東京で初公演されました。1992年再演。そして今年2006年、イヴォ氏の希望により再再公演されるそうですが、場所はドイツです・・。

I am dying everyday, that is why I live.
私は、日毎、死ぬ。だからこそ、私は生きている。

1. 日々のルネッサンス   一つの空間に異なった二つの者が場を専有することから
2.曙光            晒された記憶の断片
3.ネオ・ペトルーシュカ   不自由をかかえることの自由と、自由をかかえることの不自由
4.背面の響         疾走する意識
5.エンプティー・トランス  中心に立つことから始まる自己の中心に至る交感
6.水底の風         浮遊と沈殿
7.アポカリュプシス     引きはがされた水面のごとく、それはダンスを渇望する

かっこいい言葉が並んでますの~。

 ピアノに向かう自分と、一人のダンサー、そんな情景が、ある時、一瞬見えた。それは、まるで音を想像している時と同じような純粋さで、私の心に立ち現れたのだった。

 それから2年以上の歳月が経ち、私はイズマエル・イヴォ氏とめぐり会った。

(中略)

 イヴォ氏の考えていること、信じていることは、おかしい程、私のそれと一致していた。一見、偶然のように見える出会いは、私達の想像をはるかに超えて、長い間準備されたものであったのか、と驚かされる。
 私達二人の予想に間違いがなければ、私達がこれから創り上げるものは、未だ、どこにも無かった、新しいものになるだろう。

(アポカリプス-加古隆、抜粋)

 二人の人間と一台のピアノ。ピアニストは瞑想をしているかのように座っている。とてもゆっくりとした演奏が始まる。すると彼の体から波が生まれ、その波動の中からもう一つのからだが、あたかも彼の背中から立ち上るかのように出現し、音楽の波に乗って彼の肉体を離れていく・・・・・・これは現実なのか?私は突然、ピアニストの魂かそれとも彼の肉体の影が空間に出て彼自身をなぞる形を見たのであろうか。

 確かな主題とその転移。幻の肉体はそれ自身ひとりでに動き、また静止する。ピアニストは協和音や不協和音に沿って踊っている。そしてピアノは、その二人の為に奏でている。

(加古隆の印象-イズマエル・イヴォ、抜粋)

一つの空間に異なった質の二者がそれぞれの場を専有していることから、
一方は場から動くことなく、他方は動くことによって、
一方は同心円をくりだし、
他方は同心円をかきみだし、響きのすき間に体を同調させたりもする。

ガランの内に啓示を受けた二人が出会い、
始源、現在、未来を見つめるとすれば、
私はガランの外の園丁のような者なのかも知れない。

(天児牛大、抜粋)

 抜粋が長くなりましたが、最初の1,2曲目を聞いていると、ゆっくりとした旋律の繰り返しとともに、意識の内面に向かってゆっくりと階段を下りていく、そんな気がします。その先にあるのか混沌?静寂?

 3曲目以降、目覚めた二つの新しい意識が激しく一つの場所でぶつかり合います。ピアノから飛び出す一つ一つの大きな音滴にぶつかり、あるいは突き動かされ、ダンスは果てしなく続く。公演を見たことはありませんが、そのダンスを想像するのは容易だと思うくらい激しい情動がこちらに伝わってきますので。

 今のところ、ダンスというものには全く縁がないのですが、やっぱり生で見ると違うものなんだろうか・・。

 最新作「ピアノ」の音は質も高く一つの完成形としてきちんとまとまっていて、それを良しとするならもちろん良いのですが、この「アポカリプス」や「クレー」、「エンスタンプ・ソノール」といった過去の作品は実験的といった方がぴったりくるもので、完全にまとまっていなくとも(十分完成してますが)、野心も刺激もあり、僕としてはこちらの方が心動かされる所が多いです。現在の加古さんは円熟期に入ったということなのかもしれない。

299.jpg






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Last updated  2007.01.20 08:39:56
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