さて (3回目)
一月も半分もう終わってしまって、学生生活が刻一刻と減っていきますなあ。CD紹介の書き物は今まで違う所で書いていたものを再編成して書いてるんですが、その時は更新は週一回とか2ヶ月に一回とか適当だったので、分量もそれほどないので日記形式でしょっちゅう更新したらネタ尽きてしまう。他に何書こう。それでも今日もやりますが。バド・パウエルを取り上げます。ここ見てるような人は当然ご存知かと。 これまで取り上げたビル・エヴァンスよりちょっと前に大活躍していた天才です。もっというなら「狂気の天才」です。ジャズの逸話を色々聞いてると誰もみんな狂気の天才に聞こえてくるのですが、この人も筋金入りじゃないですかね。出演したクラブで初めから終わりまでひたすら同じ曲を何十回と弾き続けたとか。お客がかわいそうですね。 パウエルは精神疾患のため入退院を繰り返していて、そのショック療法のせいか1950年代初を境に演奏の質がはっきり変化します。これを前期、後期と分けるのが一般的ですが、前期は天才的な技の冴えに彩られ、後期はメランコリックな情緒に沈む彼の姿が見えてきます。 僕自身はまだ前期しか聞いたことがありません。ただどちらがとっつきやすいかというと後期のようです。ブルーノートレーベルからちょうど前期と後期にまたがって5枚のアルバムが出ています。もし興味がある人は5枚目の[The Scene Changes/The Amazing Bud Powell Vol.5]を聞いてみては。画像はアルバム「The Scene Changes」(Vol.5)のジャケットですが、見るからに物憂い感じじゃないですか。[The Amazing Bud Powell Vol.1,2] 一枚目の画像がジャケット写真。ブルーノートレーベルから出た5枚のアルバムの1、2枚目で前期に属します。1949年、51年、53年に録音された演奏をこの2枚に収めています。天才の凄みがより体感されるのはVol.1でしょうか。51年の録音が特に秀逸とされています。この2枚以降の彼は徐々に神がかり的なものを失っていきます。 しかし前期、後期どちらにしても当時のジャズ界への影響はすさまじいものがあったようで暫くはどのジャズピアニストも彼の影響を受けてしまい、悪く言うと彼を超えることができませんでした。そのパウエル一色だった当時のジャズ界を変えたのがビル・エヴァンスで、やはり世界というのは一握りの天才によって動かされて行くんでしょうか。[The Scene Changes/The Amazing Bud Powell Vol.5] 一曲目の「クレオパトラの夢」が有名みたいですね。録音は1958年末、まさにビル・エヴァンスが出てくるほんのちょっと前です。[The Amazing Bud Powell Vol.3,4] どうもVol3,4,5とかいう数字は後づけで、それぞれVol3は「Bud!」、Vol4「Time Waits」、Vol5「The Scene Chages」という名前が付いてるみたいです。(間違ってたらすいません) 録音は1957年前後でしょうか。誰か聞かせてください。(3枚目の画像がVol3,4枚目がVol4)