テーマ:気になったニュース(31012)
カテゴリ:Stock
2023年12月、日本製鉄がUSスチールを買収することを発表した。買収予定額は約141億ドル(日本円で約2兆円)である。買収にはアメリカの同業者であるクリーブランド・クリフスも名乗りを上げたが、買収額で競り勝つ形となった。 2024年4月12日、臨時株主総会を開催し、日本製鉄から提示された買収計画を株主の賛成多数で承認されたことを発表されました。 日本製鉄は、買収後にUSスチールに投資し、その技術の強化を図り、生産や米国の雇用を海外に移さないこと、及び米鉄鋼労組(USW)との協定を守ると約束している。 しかし、米鉄鋼労組(USW)は米国の鉄鋼企業クリーブランド・クリフスがより労組寄りだと見做し、早い段階でも買収額の低額な同社の入札を支持していた。 USスチールは、創業120年を超える伝統企業。1960年代には世界最大の製鉄会社だったが、70年代に日本製鉄(当時は新日本製鉄)に首位を明け渡した。その後も、価格競争を仕掛ける中国メーカーなどが台頭する中で業績はふるわず、米国内でも3位に転落した。 そんな中、嘗てのライバルだった日本製鉄の傘下に入ることで立て直しを図ることを決めた。トランプ政権時代の保護政策で中国の安い鉄鋼を締め出したことで、USスチールは黒字化はしたものの、高コスト体質はそのまま。ハイエンド(高機能な)鉄鋼の開発も遅れている。「技術のある日本製鉄と組むのは良い選択だ。日本製鉄も成長が期待できる米国市場での事業拡大につながる」と、買収は双方の利益につながると見られている。 しかし、今でも全米鉄鋼労働組合(USW)がこの買収に反対している。又、米国大統領のバイデン氏も難色を示している他、2024年の統領選挙への出馬を予定しているハリス女史(民主党)やトランプ元大統領(共和党)も日本製鉄によるUSスチール買収に反対する姿勢をみせており、難航が予想されています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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