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カテゴリ:漫画
何かを創ると言う時に、その全ての行程を、たった一人の人間がこなすことが、何より素晴らしいという思いこみは、日本人の職人気質がそうさせるのかもしれない・・・。
ガロの元編集さんのブログ面白かったので、ちょっとトラバ。 自分の中にもこの概念があるのは、子供の頃にそう思っていたから知ってる。漫画家は、話を作って絵を描いて、構成をして演出をして背景も考えて、でもってアレもこれもどれもそれも、全てができるスンゴイ人なんだーって思ってた頃があるんですよ。 何しろその前は、漫画は機械が描いていると、本気で思っていたからなー。人間が描いていると知った時のあのショック!どうして同じ顔が描けるの?(こう思う人は、絵が描けない人だと思う、たぶん・・・)と、不思議でたまらなかったよ。 それを人間がやってるなんて!だからスゴイんだー!って思っていたんだ・・・。 だから、原作つきの漫画は、全部一人で描いている漫画より低く見てたトコもある。実際、そう思いこんでいる人は多いんだろーな。 八百万の神さまより、一神教の方が純粋な気がしたり、一人の人を永遠に永久に愛する方が、失恋してあきらめる人よりスゴイとか・・・そんな風に単純に信じそうになっていた事もあるよ。サスガに子供だよなー。どっちの方がより甘い?とか、どっちの方が好き?とか、それぐらいのノリに過ぎなかった事に、すぐ気づいたけど。 以前、シンガーソングライターは偉くて、歌手は唄をもらって歌ってるだけでダメダメだ!と言う意見を聞いて、いやそれはどうだろうか?と戸惑ったのを思い出すなー。歌唱力っていうのは、やっぱりちゃんとあるんだよね、殆ど誰もが歌う事自体はできるけれど、誰もが同じぐらい歌える訳じゃあない。歌詞とメロディを、譜面通りに再現するだけじゃあ、足りないんだよ。 漫画もたぶん、そうなんだろうと思う。 原作があるからといって、ただそれを絵にするだけじゃ、やっぱり足りないものがあるんだよきっと。 漫画って、絵という記号を使った娯楽なんだ・・・。 そこには確かに物語はあるけれど、それを心に届けるには、演出というもう一つの技術を使わなければならない。演出の無い漫画は、どれほどの物語や発想、主張やアイデアがつめこまれていたとしても、平凡で退屈な物になってしまうんだな。 たとえストーリーが凡庸でも、画力がプロの平均値に達していなかったとしても、演出次第で満足できたりするのが、漫画の不思議なところ・・・。 そういう漫画をいくつか読んできたよ。商業誌でも同人誌でも、それは変わりゃしないんだ。 本当に画力はあがったよね。絵は見本を見て、そこから積み上げていくものなんだなぁ。最初がのらくろ+冒険ダン吉だった時代と、最初がアキラ+ジョジョだった時代とじゃあ、どうしようもなく違うよ。でも・・・それでも、演出と物語と構成だけは、進化が遅々としているのは・・・。 見て真似られるものと、真似られないものの違いなんだろうか。 あー・・・でもなぁ。 物語を考えるのは大好き、でも絵を描くのは嫌い!っていう漫画家さんは、これがまた結構いるんだよね。私の知っているのは女性作家ばかりですが。 小説を書く方にチェンジした人とかもいるなぁ。 男性作家は、そういう事は無いのかしら。 ライトノベルとかに転職した人なども、いるのかもしれないなぁ。(それにしてもライトノベルは作家がすっかり男性ばかりに。昔は女性作家ばっかりだったのが嘘みたい。男性作家が増えると、研究とか賞とかいろいろと動きが出てくるんだなぁ・・・男社会ってこういう事なんだ) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年09月19日 00時42分43秒
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