「反・幸福論」
先日、秋田市の書店で見つけた佐伯啓思著「反・幸福論」日本の伝統的精神のなかに人の幸福などはかないものという考えがありました現世的で世俗的で利己的な幸福を捨てるところに真の幸せがあるというような思考がありましたと帯文にありカバーの裏書には無縁社会の何が悪いのか遁世も悪くないポジティブがそんなに善いのか格差是正なんて欺瞞だ、と並び権利や豊かさや便利さを追求し「幸せになるべき」と刻苦勉励してきたはずの日本人が今、不幸の底に堕ちている、と続きそして前書きには戦後の日本人にとってアメリカ的な生活が幸福のモデルになったつまり社会的に「自由」であることと経済的に「豊か」であることですでも日本の伝統的な価値観は「個人の自由」や「経済的な冨」にはずいぶん警戒的だったのですそういう人生観、死生観、自然観を見失ったためにどれだけ自由を求めても経済を成長させても幸せ感が得られなくなったのではないか、と書かれておりますこの本は戦後日本が目指してきた幸福に対して「反・幸福」という視点から幸福というものを見ているようです