まだ不正使用の件は完全解決していないのですが、気分は落ち着きましたので連載を再開します。
誹風柳多留を全部読んで、面白そうなところだけをピックアップしようと試みたのですが、参考にする本によって掲載されている句がだいぶ違っていました。大正時代に編纂された全編と戦後に編纂された全編とでは同じ句も有りましたが、ほとんどが違っていましたし、順番もだいぶ違っています。
柳多留から抜粋編集したという本も読んだのですが、その句がどこにあったのか見つけられない句がずいぶんありました。出所は同じ江戸時代の刷り物のはずなのですがどうしてこんなに違うのでしょうか。見つかられなかったのかもしれませんが。あまり続ける気がなくなりましたので、かいつまんでご紹介します。
2編
水引ではまぐりを釣る雛祭り
雛祭りには生きた蛤も使っていたようで、そのハマグリが口をあけているところに子供が水引を突っ込んで遊んでいたのですね。
生き物のようにとらえるところてん
水中に出来たところてんをつかむようすを、このように表現したのですね。感性がすばらしいと思います。
3編
物差しで昼寝の蝿を追ってやり
昼寝している子供のそばで繕い物をしているのでしょうか。物差しでハエを追う親心ですね。
男の子はだかにするとととまらず
男の子は着替えで裸にすると逃げ回って捕まらなくなってしまう。元気です。
5編
ふいにでるひなはむすめの吉事なり
娘が嫁に行くことがきまると、ひなも一緒に行くので雛祭りではない時期はずれに出されるという意味。お目出度いことですね。
6編
風呂敷をとくと駆け出す真桑瓜
風呂敷をといたら中からマクワウリが転げ出てきたということですね。戦後かなりまでマクワウリが夏に出回っていましたが、今では見かけませんね。若い人は知らないでしょうね。
7編なし
8編
かし本屋無筆な人に付き合わず
江戸時代は本は高価で、貸し本屋が本を持って貸しに行ってました。それで文字の読めない人のところには寄り付かないという意味です。でもこれと対句があります
かし本屋無筆に貸すも持っている
文字が読めない人にも貸せる春本を持って貸し歩いたということのようです。
9編
金魚売これかこれかとおっかける
江戸時代には金魚を飼うのが流行しました。その金魚売りがこの金魚かと小さな網ですくおうと追いまわしている風景です。
しかられた通りに母はしかる也
時分が育ったときに母親にしかられたとおりに子供を叱って育てているということでしょうか。
10編なし
11編
さぼてんを買って女房にしかられる
12編
朝顔は朝寝のものにしかみづら
今も残る有名な句ですね。
13編
女房が留守でながしにわんだらけ
江戸も今も変わらないですね。うん、現代はまめな男性が増えているのかな?
きゃっといふむすめの跡を蛙とび
何事が起こったかと思いますよね。
14~18編なし
19編
はだかっ子はらをたたいてにげるなり
前出と同じ
柳多留は内容が吉原とか旧句どりとか今では理解できない句が多く、現代でも面白く感じる句はそれほど多くないなと感じ始めました。ご紹介するのもあと1回程度でしょう。
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最終更新日
2017.03.15 12:48:26
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