今年も一年がかりで作ったレースドールが完成しました。今回の作品の題は「森のブランコ」です。
レースドール 森のブランコ
レースドール 森のブランコ 拡大
フラゴナールの絵画にブランコという題の絵があり、前からそのイメージでレースドールが出来ないかなと思っていて先生にお願いして作らさせていただきました。普通はコースの過程が決まっていて勝手に作ることは出来ないのです。
了解は頂いたのですが、レースドールの人形の土台は、型が決まっていますので、当初は一人で1本の木から綱が垂れる良くある形でした。
そのまま作ると木の葉が少なく、森のイメージが出せませんので、元の型抜き土台の木に、枝を何本もつけて、こんもりとした木陰でブランコをしている風に作ろうと思っていました。ですから、当初は真ん中の女の子一人だけです。
作り続けて、いざ焼成したら、木の幹が後から付け加えた枝の重みに耐えかねて左に曲がってしまったのです。これではブランコの綱が留められません。先生もこうなるかもしれないと、かなり危惧されて焼成中の支えなどをかなり工夫されていたのですがそれを超えていました。
どうしようかなと思っていたら。先生がもう一本木を足して、左右から綱を吊ると言う景色にしようとの提案でした。
なるほど、それなら綱が張れるし、森のイメージも深まります。
それで作り続けているうちに、さらに綱を引っ張る人形を付け加えたほうが景色が良いということで、妹と言う設定で服装を考えて作り加えました。
それで姉の方の服装の色は、フラゴナールのブランコの絵の色を参考に作っています。
レースドール 森のブランコ 姉
追加して作った妹の方の衣装は、映画のパンフレットに出ていた女の子の衣装デザインと色を参考に作りました。
この作成でも大きな失敗をしてしまいました。張り付けていたドレスが少し広がりすぎていたので、全体が出来上がった後、裾をぎゅっと握ってすぼめたのです。
それをそのまま焼成したら、何と・・・。せっかく張り付けたレースドレスがすべて粉々に崩れ落ちてしまっていたのです。
これはどうしようもありません。と思ったら先生がこの上からもう一度レースに粘土を浸み込ませて今度は慎重に張り付けて、焼きましょうということでした。
それで出来上がったのが、この妹です。
レースドール 森のブランコ 妹
今回の作品は、以上のような様々なアクシデントの他、森のイメージを出すため葉をたくさん作って、貼り付けるという手間のかかる作業がありました。
この葉だけで300枚を超える葉がつけられています。張り付け作業が展示に間に合わず、展示当日まで張り付け作業をしていました。
今回の作品は、ケースの大きさがこれまでより2回りほど大きなものとなり、持ち帰るのも重くて大変でした。作品の大きさも考えなければいけないなと思いました。