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テーマ:お勧めの本(7403)
カテゴリ:
最近では道路公団でクローズアップされた猪瀬直樹の1985年の作品。
ちょうど西武鉄道株の虚偽記載事件で改めて西武グループに興味を持って本を調べてたらこれが出てきました。
本自体は本文部分でも850頁で文庫本の厚みにして3cm、重さ450~480g(郵便用の秤ではうまく計れません!ヒロシです)
すごい文庫本です。読むのも通勤の電車の中が主なのでなかなかはかどりませんでしたがやっと読み終えました。
フランスのロックバンド「MIKADO」とのインタビューから始まって命名の元になった「ミカドゲーム」、東京海上ビルの不幸、原宿の「宮廷ホーム」とタブー、プリンスホテルの謎(巨大な西部グループがどのようにして今の繁益の足がかりを得たか)、日本では知られて無いが西洋文化に根付いてる歌劇「ミカド」の秘密、ミシガン州にある「ミカド町」、19世紀末の西洋における日本人気と旅芸人、明治天皇崩御と世界の反応、「御真影」とイタリア人画家キヨソーネ、富士山など日本の風景シンボル、昭和天皇時代の天皇安保体制、とざっと挙げてもこの内容。
「MIKADO・ミカド・御門・天皇」のキーワードでそれぞれを丹念に調べて並列に並べる事で「日本・天皇・天皇制」の姿を浮かび上がらせようとしているようです。中でも一番興味を惹くのは、西武グループ・プリンスホテルのくだりです。プリンスホテルの建ってる敷地は皇族の跡地圧倒的に多く、それゆえ皇族のブランドを利用する意味でも「プリンスホテル」と名づけられている。また先代の堤康二郎がどのように戦後の皇籍離脱による元皇族達の土地を手中にしたかなど興味をそそられます。
読んで初めて知ったのが、歌劇「ミカド」。思い出してみると体の大きな白人が変なちょんまげで着物をだらしなくきて何か喋ってる舞台をテレビで見たことがありました。1885年ビクトリア朝時代イギリスのギルバート&サリバン作でのでたちまちヨーロッパ中で大ヒット。その当時の交通・通信の状況にもかかわらず一年の内にアメリカの片田舎まで知られるほどの大人気。その内容と日本で上演されない秘密などこれまた面白い。
また、明治天皇は写真嫌いで一般に目にする御真影はイタリア人版画家キヨソーネの描いた絵を写真で撮ってること。この間「トリビアの泉」でやってましたが西郷隆盛も写真が一枚も無くあの良く知ってる西郷隆盛の写真は同じくキヨソーネの絵だそうです。
豊富なエピソード・時代・場所など知らなかった事、納得のいく事が沢山あってその部分だけでも読む価値あると思います。

mikado
ミカドの肖像





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Last updated  2005年06月14日 10時35分17秒
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