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テーマ:お勧めの本(7403)
カテゴリ:
セゾングループ創業者「堤清二」のもう一つの顔である作家「辻井喬」の作品
実在した作者の友人であり映画監督(一番解り易いのは「ザ ガードマン」や 山口百恵の「赤いシリーズ」のテレビドラマ監督)と人間国宝陶芸家父であると婦人解放活動家の母がモデル。
イギリス留学から帰国した旧家の出、初期は農家の庭先で見つけた白磁に影響され晩年艶やかな作品を残した人間国宝陶芸家 田能村善吉 「青鞜」に属し平塚らいてうの恋人と呼ばれた母は婦人解放活動家、潔癖で直情型で自分を抑制できない田能村文。二人の個性は愛していながらいつも激しくぶつかる。その愛憎のはざまに生を享けた田能村壮吉。出だしから、ガンの闘病の末亡くなった壮吉。その友人である主人公「XX」が壮吉の手記を辿るところから始まる。映画監督であり人気TVドラマシリーズの監督でもあった田能村壮吉が生涯でやり遂げたかった事、それは手記に記されてる「青い魚」、愛憎入り乱れる両親を映画にする事で関係を理解する事だった。その壮吉のやり残した事を主人公「XX」が手記を辿って過去へ現在へ物語はすすむ。壮吉の目線を通して善吉、文をたどる。また善吉の故郷「斑鳩」、壮吉の生まれた「成城」、文の活躍した「祖師谷」のサロンというキーワードで違うエピソ-ドにスリップするなど多様な表現の仕方が面白い。最初は堤清二さんの作品ということで読み始めたが次第に深いものを感じ読み終えるのに結構時間を費やした。その人がそうだからそういった人生になる。良いも悪いもそれゆえそのひとの人生なのかな。
離れて暮らしてる京都に壮吉が訪ねたとき善吉は「愛しているがあれとは離れているほうがいい」と云う。ほんとになかなか上手くいかないもんですね!人生って(^^ゞ





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Last updated  2005年07月29日 16時17分58秒
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