日本への憂国の警
黄文雄『中国 日本包囲網』(海龍社)「中国人にとって銃口から政権がうまれるのが真理であるように「馬上天下を取る」のである。一方で「中国の国家原理のひとつとして、天子が天命を受けて万民を統率するというものがあり、天子は徳で万民を導かなければならないことになっているのだが、実際は武力以外に易生革命を達成したことはない」。だから黄節はこうつづく。中華王朝の根底に流れる国家原理は、徳ではなく武力」。「中国の国家原理とは『馬上天下を取る』というところにあるのは(どんな世の中になっても)替わりがない」うえ、こうした伝統に立脚するがゆえに「逆に独裁者がいないと不安になるため、独裁政権を歓迎し、自ら奴隷になりたがる習性」(126p)がある、とも言う。このように日本とはまるっきり違う伝統を「誇る」(?)、異質な中国の本質を見ないで、或る日本の政治家が「日米中正三角形関係」「などという主張(本来は趙紫陽が言いだした)は、根底的ナンセンス。それ唱えるのは加藤紘一、小沢一郎だが、彼らは「ただの幻想」に酔っているのではないか、と手厳しい。・・・宮崎正弘危機を感じない日本。黄氏には感謝です。