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鏡の国の落としあな

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2009.05.19
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カテゴリ:日本の古典文学

 

一の谷の軍破れ討たれし平家の公達あはれ

あかつき寒き須磨の嵐に聞こえしはこれか青葉の笛(平敦盛)

 

更くる夜半に門をたたきわが師にたくせし言の葉あはれ

今はの際までもちし箙に残れるは花やこよいの歌(平忠度)

『青葉の笛』

 

平家物語といえば、最初は私は耳無し芳一からでした。

従ってそのおかげで平家、というと怨霊、どろどろ~って感じで。

話はちょっと飛びますが、今はどうか知りませんが昔NHKで、名曲アルバムという5分いくらいの番組がありまして、いろんな曲をそのゆかりの地の写真を見せながら、字幕で簡単な説明などを流してくれるのです。

で、ある日、この『青葉の笛』が放送されまして、そのちょっと悲しい旋律と綺麗な日本語の文章に惹かれて書き写したのが、上の歌なのです。背景は確か、一の谷と壇ノ浦だったと記憶してます。

敦盛の最後は『平家物語巻第九敦盛最後』に述べられています。

実は私、この話が子供のころからとっても気に入らないのですが、その理由はあとで述べていきますうっしっし

 

源氏方の武将、熊谷直実は一の谷の合戦のあと、

・・・・平家の公達援け舟に乗らんとて、みぎはの方へや落ちゆき給ふらん、

あつぱれ、よき大将軍に組まばや、と思ひ・・・・

(今頃平家の武将たちは助け舟にのろうと、海にむかって逃走中のはずだ。

ぜひ名のある大将を討ち取り、名をあげたいものだ)・・・

と、海岸伝いに馬を走らせます。

まずここで私は、「武士の情けは貴殿にはござらんな」って思うのです。自身の功名にかられ、敗戦のあとの武将にまで襲い掛かるとは・・・・・

ここは逃がしてやって、次の戦で堂々と戦えばよろしい怒ってる

こう思うのは私だけでございましょうか?

ま、それはともかく、直実は、向こうに大将らしき格好をした侍が、沖にいる船に向かって馬を泳がせ始めたのを見ます。

6,70mほど進んだとき大声で、

あれはいかに、よき大将軍とこそ見参らせて候へ。

まさなうも敵に後を見せ給うものかな。返させ給へ、返させ給へ。

(これはこれは立派な大将殿とお見受けした。

敵に背をむけて逃走するとは卑怯でござろう、引き返されよ)

 

と、呼びかけます。

大体、この若武者(敦盛)が自分のほうを見てから逃走するならともかく、自分のほうを見てもないのに(と思いますが)、そこへ敵に背を向けて~云々はないだろうよって私はいつも思ってしまうのです。

いかにも功名はやりの性格が現れてて、私は本当に好きではないです、この場面怒ってる

とりあえず、話を前に進めていきます。

引き返せといわれたこの若武者は戻ってきますが、直実に敵うことなく首を切られそうになります。

が、よく見るとまだ若い少年、自分の息子と殆どかわらない年齢。

情が湧いた直実は助けようとしますが、結局他の源氏方に見つかってしまい、泣く泣く首を切ることに。

あはれ、弓矢取る身ほど口惜しかりけることはなし。

武芸の家に生まれずば、何しにただ今かかる憂き目をば見るべき。

情けなうも討ち奉つたるものかな

(ああ、武士の身ほど情けないものはない。

武士の家に生まれてなければこんな悲しいめにあわずに済むのに。

非情にも討ってしまった・・・・)

 

そもそもあなたが敗戦後の将に最初っから手を出さなきゃ、こんなことになってないのに。戦いはやはり正々堂々と戦中にね。敗戦の将に手をだすとは卑怯なり。

ってどうしても思ってしまう私。

討ち取った首を包もうとして、直実は敦盛の腰に錦の袋にいれた笛を見つけます。

あないとほし。

この暁、城の内にて管弦し給ひつるはこの人々にておはしけり

(なんとあはれなこと。あの暁に笛の演奏をしていたのは

この方々だったのだ)

 

その笛は笛の名人だった、祖父の忠盛(清盛の父)が鳥羽上皇からいただき、それが父の経盛に伝わり、笛上手だった敦盛に渡ったもので、名前を小枝(さえだ)といいます。

直実はこれがきっかけとなって、出家の決心を決めたなどという話が伝わっていますが、これが本当なら全く出来すぎた話のような。

実際は土地争いのごたごたが嫌になって出家したのが本当らしいです。で、そういう人間的に臭いほうが、できすぎた話よりかは私は好きです。

でも、いくら人間臭いのがいいとはいえ、戦のあとに敗戦の将にちょっかいをかけるのは、ボツ。

余談ですが、直実にはその出家後、自分を襲ってきた追いはぎを説教して、かえってその盗賊をも出家させてしまったという逸話があります。

さて平家物語はこの話を以下のように締めくくっております。

皆様、どうお思いになられますか?

 

狂言きぎょ(変換できません)の理と云ひながら

つひに讃仏乗の因となるこそあはれなれ

(笛の演奏などは道に外れた飾りごとに過ぎない。

しかしこのように出家して仏道を讃える原因に変わった、というのは

心に響くものがある)

 

 

 

音符この青葉の笛の歌をお聞きになりたいかたはこれをどうぞ下矢印

     http://www.youtube.com/watch?v=CXRmyNTtnHU

音楽いいんだけど、画像がなんだかな~って感じですが雫

 

音符まんが日本昔話による、耳無し芳一の話下矢印懐かしいです

      http://www.youtube.com/watch?v=2gceT7F6otQ

 

では次回は2番目の歌詞に登場の忠度といきましょう。






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Last updated  2009.05.19 17:39:37



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