|
カテゴリ:海釣り百態
長々と書き込まなかったのは、それを優先せねばならない理由が延々と続いていたためで、このまま姿をくらましたと勘違いされても困るので、また、じくじくと綴りたい。
とりあえず、富山県滑川市に出張したお話しから辿りたい。 信州の川辺でホタルが舞うのは6月以降になるが、富山では春先から海岸で舞っている。 これは、身投げしたホタルイカ。滑川の海岸には自殺志願のホタルイカが数多く訪問するのだ。人生の最後をこの海岸で迎えようとする自殺志願者を、手ぐすね引いて待っている魚もいる。代表格はクロダイ。本物のホタルイカを餌にして釣ることもできようが、本物は食べるために活用したい。そこで、僕はホタルイカそっくりのルアーを操り、昨年めでたくクロダイ釣りに成功したことは記憶に新しい。 で、今年も2匹目のクロダイを狙いに、S君と滑川まで遥々やって来た。が、S君は思いもせぬ睡魔に襲われ息も絶え絶え。先ほどまでオンチな鼻歌を轟かせていたのに、「ちょ、ちょっと先に行ってください。後から合流しますんで」と言う。ほぼ心肺停止状態に陥っているS君よりも、死を前に命がけで乱舞するホタルイカの方が心配な僕は、鼻歌混じりで一人海岸に向かった。 海岸で釣り始めると、程なくカサゴ。 程なく、メバル。 この2匹によると、「本日はクロダイ欠席」とのこと。ここで釣りを終了し車に戻る。 車はイビキによると思われる熱気で、ガラスはすべて曇っている。ドアを開けると、「後から合流します」と言っていたS君が、変わり果てた姿でイビキをかいていた。 気を取り直し、来た道を70km程引き返して新潟県上越市の海岸へ。ホタルイカは舞っていないが、そろそろイナダが舞う時期だ。 案の定。ほらほら。 眠気に打ち勝ち、三途の川の手前から戻ってきたS君は奇声をあげている。どうやら順調に釣れているようだ。 1時間ほど釣りをして休憩。ふとS君を見ると、そこには海から打ち上げられたと思われる水死体が横たわっていた。イビキをかいている。えらく大きなホタルイカのように見える。いかんいかん。今度は僕が睡魔に襲われてきたようだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.05.07 14:13:19
コメント(0) | コメントを書く |
|