サケファイナル
山々は既に雪化粧をし始めた新潟方面での、今シーズン最後の釣行に挑んでみる。 冷え込みの激しい早朝、河口域に立つ。 水温は急激に低下し、いずれこの辺りも雪に隠れる。いくらアルコールヒーターで暖をとっても、魚釣りには向かない季節に突入する。シーバスやサケをたくさん釣らせてもらったお礼を込めて、「今シーズンはなーんにもいい思いをしてないな」というS君に締めくくりの釣果をあげてもらうべく、ルアーをキャスト。 強烈な引きを楽しませてくれたのは、海から入りたての雄サケだ。魚体のコンディションも最高。 相変わらず釣れないS君と場所を移動。一足先に釣り場に向かったS君を追いかけて現場に着くと、ロッドをぐにゃり曲げているS君が硬直していた。引きづり上げたのは、メスのサケだった。 ようやく手ごたえのある魚に出会えたS君は、心なしか目を潤ませている。 帰路、地元で有名なとん汁屋に立ち寄った。 普段は、イベントの「無料サービス」、「限定の振る舞い」などで馴染みはあるけど、お金を出して食べるものではないと思っている僕らにとって、1杯6百円のとん汁は革命的な味がした。 具は、味噌の味がしみ込んだ豚肉と玉ねぎ、豆腐のみ。これが美味い。3種の具材と「2人そろって釣果を得た」という感涙が入り混じる味にむせぶのであった。