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カテゴリ:海釣り百態
深夜から始めた狩野川河口のシーバス釣りは、変化の兆候もないままに日の出を迎えた。何十回もキャストを繰り返しているが、「魚が釣れないのはいつものことだけど、こんなに打ち込んだのは初めて」と、S君共々驚いている。
かれこれ5時間以上も経ったので、ぼちぼち車に帰ろうと思った時、30分前に僕らの隣に来た釣り人が60cmほどのシーバスを釣り上げた。釣りとはこんなものか。神も仏もあったもんじゃないと肩を落す。 悲しみの狩野川を後にして、伊豆半島を松崎方面に向かう。傷心の道沿いに、名物のなまこ壁が現れる。 漆喰をかまぼこの様に盛り付けている。「何でナマコなんすかね」と疑問を抱くS君に、歴史的背景や長八の作品を説いても仕方あるまいと思い、「あれは本物のナマコを乾燥させて貼り付けた代物である」と解説してあげる。 お腹が空いてきたので、幹線道路から外れた場末の食堂に入る。 店のおばさんによると、ここのオススメはカツカレー焼きそばだとのこと。さっそく注文。 まるで、カツカレーが焼きそばの上にトッピングされたような味。角度を変えて説明するならば、想像通りの味である。 そんな折、店のご主人が出てきて、僕らが釣りに来たということを知るや否や、趣味のビデオを持ち出してくる。以前、友人と釣りに行った時の模様をお見せしたいという。 ヒラスズキを釣るシーンを何度も鑑賞。S君と、その場所付近まで行ってみようと決めた。 強風の磯。打ち付ける波が大きなサラシになっている。ここに何度もルアーを通すが、あのビデオのような感動はここには存在しない。 こうなったら入浴して気分をリセットするしかない。あれこれ彷徨いながら、山中の川沿いに佇む露天風呂を発見。 源泉のままの湯に浸かり、これまでの悲劇を洗い流す。ここのご主人によると、源泉が発見されたのは3百年以上も前で、この入浴小屋を建てて百年になるという。 気分一新で近くの漁港に向かい、アジでも狙おうかとルアーを通していると、初めてお目にかかる魚を連発。 調べてみると、ハタンボという魚らしい。僕の釣魚図鑑に新たな魚種が登録されたのではあるが、狙いを大きく外した現実に、うれしさも中くらいなり。 ふと、対岸で大騒ぎをしている釣り人がいる。よく見るとS君だ。何か釣れたの? こりゃまた変わった魚だ。ルアーを投げたら上空から反応があったらしい。全身毛だらけで羽がある魚なんて初めて拝見した。このスットンキョウな釣りは、全身毛だらけのS君にしかできまい。空には星が出ているのに、コウモリ捕獲とはこれいかに。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.05.08 11:11:27
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