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カテゴリ:政治
 まず、公明党のホームページから、昨日の衆院法務委員会での少年法改正案可決についてのニュースを引用します。

 衆院法務委員会は18日、少年法改正案と与党提出の修正案の採決を行い、いずれも自民、公明の与党両党の賛成多数で可決した。民主党提出の修正案は否決された。

 改正案は14歳未満の少年が起こした事件で警察に強制調査権を与えることが柱。与党は同日、改正案に対し、将来罪を犯す恐れのある「ぐ犯少年」を調査対象から除外するなどとした修正案を提出した。
 
 採決に先立って質疑に立った公明党の神崎武法氏は、与党修正案について「委員会での論議を十分に踏まえたもので高く評価する」とした上で、与党修正案で「ぐ犯少年」に関する調査規定が削除されていることについて、これまで行われてきた警察の調査実務が変わるのか聞いた。(以下略)                      
                                 公明党のHPより

 ばかばかしくて屁も出ない話です(失礼)

  ところで、日本国憲法には次のような条文があります。

第15条 公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。
  2 すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。
  3 公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。

 
 国会議員は法律上特別公務員にあたり、この条文に該当します。つまり憲法上、国会議員は○○党や××党の議員である前に、国民全体の奉仕者でなければならず、そのように考え行動しなければならないということです。

 単に党のお偉いさんの方針に従って、唯々諾々と賛成だ、反対だというだけなら、それはもはや<全体の奉仕者>などではなく、党とその支持者(というよりも金を出している人)という人たちだけに対する<一部の奉仕者>でしかないでしょう。


 ルソーの『社会契約論』に次のような言葉があります。

 人民が十分な情報を得て議論する場合、もし市民がお互いに徒党を組むなどのことがなければ、わずかな相違がたくさん集まって、つねに一般意志が機能する結果、その決議はつねに善いものとなるだろう。

 しかし、徒党や部分的団体が、他の多数を犠牲にして組織されるならば、これらの団体の各々の意志は、その構成員という観点からは一般的なものではあるが、国家という観点からは特殊なものとなる。 

 その場合には、もはやその人々と同じ数だけの投票者があるのではなくて、団体と同じ数だけの投票者がいるにすぎないといえよう。相違の数はより少なくなり、もたらされる一般的な結果は少なくなる。

 ついには、これらの団体のひとつがきわめて大きくなって、他のすべての団体を圧倒するようになると、その結果は、もはやさまざまなわずかな相違の総和ではなく、たったひとつの相違しかなくなってしまう。

 そうなれば、もはやそこには一般意志は存在せず、優勢を占める意見は特殊な意見にすぎなくなる。したがって、一般意志を十分に機能させるためには、国家の内部において部分的な社会が存在せず、各々の人民が自分自身の意見だけを述べることが重要である。 
 

 
 もちろん、この言葉をそのまま今の政治に当てはめることは不可能です。社会の利害が大きく分かれている以上、その主張もいくつかに分かれることは必然です。ですから、政党という存在の役割を現実に否定することはできません。政治に関して一定の主義主張を同じくする人たちがグループを作ることは、当然のことではあります。

 しかし、どんなに強固に統一された政治集団であっても、ありとあらゆる政策や法案について意見が一致しているなんてことはありえないはずです。政党の中がばらばらというのも困りますが、個別の問題についてはそれぞれの意見というものもあっていいはずでしょう。それは、議員一人一人が政治家としての自己の信条と信念、見識を持っているならば、むしろ当たり前のことでしょう。

 にもかかわらず、党の方針だというだけで、最初からそれそれ賛成だとか反対だとかいうことが決まっているのであれば、そもそも委員会の審議も本会議の審議も必要ありません。討論などするだけ時間の無駄というものでしょう。最初から頭数だけ数えればすむ話です。

 国会議員の仕事が、ただ採決のときに手を上げるだけならば、神崎何某だの、保岡何某だのというご立派な名前も必要ないでしょう。別に誰だっていいわけですから。

 この方達、これからは、自民党も公明党も一緒にして、自公1、自公2、自公3とでも呼べばいいのじゃないかと思いますが、いかがなもんでしょうか。

追記: この少年法改正案、今日の衆院本会議で可決されていたのですね。なんともこういうことだけは、手際のいい。唖然としてしまいます。

 少年犯罪の凶悪化や低年齢化に対応するため、少年院送致の年齢下限を現行の14歳以上から「おおむね12歳以上」に引き下げる少年法など関連法改正案は19日午後の衆院本会議で、自民、公明両党の賛成多数で可決された。参院に送付され、今国会で成立する見通し。 


 先日の国会審議での、「美しい国」のための人づくりとは、という野党議員の質問に対する、「美しい立ち居振る舞い」云々という首相の答弁には、思わずずっこけてしまいました。

 国会は、いつから禅寺もどきのこんにゃく問答をする場になってしまったのでしょう。

 冗談でもなんでもなく、本人は大真面目なのだから、始末に負えません。 





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Last updated  2008.01.31 13:45:36
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