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カテゴリ:政治
期限付き補充立候補、選挙直前できず…公選法の不備が浮上
長崎市長選に立候補していた伊藤一長市長が銃撃され死亡した事件は、選挙期間中に候補者が死亡した場合の補充立候補や繰り上げ当選など、公職選挙法上の問題点を浮かび上がらせた。与野党から法改正を求める声が出る可能性もある。 (中略) こうした補充立候補制について、久間防衛相は17日夜、「3日前を過ぎたら補充が利かない。法律の欠陥が如実に出ている。(候補者を多く擁立する)共産党の候補者が当選してしまう(可能性がある)」と述べ、公選法改正が必要だとの認識を示した。 YOMIURI ONLINE から 「公選法の不備」などというからなんのことかと思ったら、要するに「共産党の候補者が当選してしまう」から、ということなのかい。要するに、「共産党推薦の市長が誕生する」ということは「公職選挙法」という法律の不備のせいなのかい。これじゃあ、まるで共産党は非合法政党あつかいと同じだろ。 現在の公選法の規定で「補充立候補」の規定が、投票日3日前までと規定されているのには、それなりの合理性があり、考慮と検討の結果があったはずだ(少年院送致が14歳以上と規定されている少年法についても同じことだが)。 どういうふうに改正するつもりなのかは知らないが、投票当日に有力候補者が急死して、右も左も分からぬような娘だとか息子だとかがいきなり立候補し、お涙頂戴の同情票を集めて当選するようなことが起きたら、そっちの方がよっぽどおかしな話だろう (おっと安倍首相もこの口だった)。自治体の首長とか議員とかいう地位は、そんなに軽いものなのか。 たまたま自党に所属する市長が殺されたことを受けて、場合によっては、自分たちが敵視する党の候補者が当選する可能性があるなどと言って騒ぎ立てる閣僚と、しかもそんな馬鹿話をなんの論評もせずにそのまま垂れ流す「読売新聞」は、いったいどういう了見なのだ。 別に共産党の肩を持つわけではないが、少なくともこの国の法律で定められた「政党要件」を満たし、一定の数の国会議員を擁する特定の政党の名前を挙げた閣僚の発言をそのまま垂れ流すような報道こそ「偏向報道」というものだろう。 いうまでもなく、法律というものは一般的なルールを定めるものであって、公正中立でなければならない。たしかに、具体的な個々のケースでは、結果としてある特定の候補が有利になるというようなことも起きるかもしれない。しかし、そんなことはお互い様みたいなものだろう。 ルールの一般性や公平性と個々の事例での結果云々とは別の話だ。同じルールが場合によっては、結果的にこちらに有利に働いたり、あちらに有利に働いたりなんてことは、どんなスポーツでもゲームでもありうることだ。たまたま、自分たちにとって不利になる可能性があるからなどといって、ルールを変えろなんてのはずいぶんと無茶な話である。 サッカーの国際試合で、このままじゃ自分のチームが負けるかもしれないからといって、いきなりFIFAにルールの改正を要求するなんてことを日本が言い出したら、それこそ世界の笑い者だろう。 この連中は、自分がなにを言っているのか分かっているのか。 ばかばかしくて開いた口がふさがらぬとは、このことだ。 こんな話、土俵から押し出されそうになった力士が、あわてて土俵を広げるようなことではないか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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