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いよいよ、注目のアメリカ大統領選挙の投票が始まった。報道では、日本時間で今日の昼頃には、当落が決着するのではないかという話である。選挙期間中、劣勢を伝えられていたマケイン陣営は、女性のペイリン現アラスカ州知事を副大統領候補に抜擢したものの、これはあまり効果がなく、むしろ逆効果になったように思える。
なにしろ、アラスカ州というのは、総人口が70万にも達しない地域であるから、そこの知事というだけでは、政治家としての経験や見識に疑問がもたれてもしかたない。マケイン候補はすでに72歳と高齢であるから、任期をまっとうできずに、途中で副大統領が昇格する可能性というのも十分にある。それを考えれば、彼女とのコンビではちょっとと、二の足を踏むという人が出てきても不思議ではない。 思い出すのは8年前のゴアとブッシュの戦いである。このときは、有権者の投票総数では民主党のゴア候補がブッシュを上回ったものの、全米で獲得した選挙人の数でブッシュが上回るという逆転現象が起き、ブッシュ弟が知事を務めるフロリダで票の再集計が行われるなどのすったもんだのすえに、ブッシュ現大統領が僅差で当選することになった。 投票前の世論調査では、民主党のオバマ候補の優勢が伝えられている。しかし、電話などでの調査に回答する場合と、実際に投票する場合とでは有権者の行動は必ずしも一致しない。日本でも、実際に投票が済んでふたを開けてみたら、事前の予想と大きく違っていて、「開けてびっくり玉手箱」 ということもある。 これは、ひとつには選挙前に公表された世論調査がもたらす、アナウンス効果のせいだろう。だがそれと同時に、個々の有権者にとって、とくに現実的な意味を持たない調査への回答と、実際に効力を持つ投票の場合とでは、その意味合いがまったく違うということもやはり無視できない。 アメリカの政治学者らが使う言葉に 「ブラッドリー効果」 という用語があるそうだが、Wikipediaではこの言葉について、次のように説明されている。 1982年のカリフォルニア州知事選挙で黒人の元ロサンゼルス市長トム・ブラッドリーが白人の共和党候補ジョージ・デュークメジアンと争った。事前に行われた世論調査ではブラッドリーが圧倒的有利な状態で、ほとんどのメディアはブラッドリーの勝利を予想し、サンフランシスコクロニクルは 「BRADLEY WIN PROJECTED」 の見出しをかかげた。しかし、いざ選挙当日になってみると、それまでブラッドリーを支持していた白人有権者がデュークメジアンに投票し、多くの票がデュークメジアンに流れた結果、当選確実といわれていたブラッドリーは敗れてしまった。 ようするに、「本音」 と 「建前」 が違うというのは、なにも日本人だけの専売特許ではないという話である。 関連記事: オバマ候補は 「黒人系」 なのか お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.11.05 05:56:25
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