中学受験と子の不良債権化
週刊誌に著名な地方の小学校の校長が「東大なら公立校」といっている(週間朝日11月11号)。私も日頃断片的に思っていることをダイレクトに的確に述べているものだ。識者の間では,小学受験は「愚か」と認識で一致しているようだ。中学受験については,中高一環校の実績の重さが強調され,公立を蔑視する傾向がある。中高一環校の生徒は入ってからが大変で,学校の授業についていくため塾があることも聞く。また,私立中学で退学なる者が多くなっているとか,上記校長は子供時代の「早寝」「早起き」「朝ご飯」「読み」「書き」「計算」「体験学習」「遊ぶ」という基本的習慣が重要であり,公立で東大に入れるという。さらに「ゲーム漬」「テレビ漬」「家庭の不和」と並び「受験のための塾」がニートやフリターを生んでいるというもし,これが正しいとするならば,教育熱心な親ほど大変なお金を掛けて子供の可能性を壊し,「子を不良債権化」していることになる。わたしたちが良かれと思ったことが,全くマイナスになっているとしたら,なんて愚かな親であろうか。子育てについて生まれてからこれまでマニュアル漬けのわれわれではないだろうか。農業でも農薬をやめて有機農法が見直されている。子育ても,他人任せからそれぞれの子供の生きる力にあったものを考え直す時期なのかも知れない。日本古来の伝統的な教育論「読み書きそろばん」「お手伝い」「早寝早起き」を今一度見直す時だろうか。ところで明日は,小五の子と東京モーターショウだ。上記の校長の言葉でいうならば「体験学習」と思って行ってくることにしよう。