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中世武士団をあるく 安芸国小早川領の復元

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2005.08.20
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小早川領内の五輪塔のタイプは、昨日紹介した4タイプだけではありません。
小早川家の菩提寺として、14世紀中ごろの宝篋印塔などがあった法浄寺跡には、やや異なる形の五輪塔があります。

法浄寺跡

写真の五輪塔の火輪は、Aタイプとたいへんよく似ていますが、よくみると、軒の反り方が違います。
Aタイプは、全体にゆるやかに反っていますが、こちらは、中心部を水平に造り、隅の近くで、同じ厚みを保ったまま、反りあがります(軒の上端で比較するとよくわかります)。

この点から、さきのAタイプをAbタイプ、この形は、Aaタイプとしておきましょう。
左側に半分だけ写る五輪塔の火輪も、同じタイプのようです。

なお、この五輪塔は、しっかりと造られていることが、写真からもわかります。
おそらく、これまで紹介してきた五輪塔のなかでも、室町時代にさかのぼる、古い火輪ではないかと思われます。
苔むした、摩滅が激しい石塔ほど、一見、古く見えますが、実は、古い時代の石塔ほど、良い石を使い、しっかりと造られているのです。






法浄寺跡には、もうひとつ、Abタイプとよく似た五輪塔の火輪があります。

法浄寺跡

軒の反り方は、Abタイプとよく似ていますが、こちらのほうが、軒の厚さが少し厚めに造られています。
全体の高さもやや低いようです。
このため、この形は、ひとまずAcタイプとして区別しておきましょう。
ちなみに、火輪の上に水輪が乗っかっていますが、五輪塔の積み方としては、逆ですね。


この二つの存在により、小早川領内の五輪塔は、6タイプとなります。
なかでも、法浄寺跡に古いタイプの五輪塔があることは、この寺の歴史を物語るものとしても貴重です。
市内にある歴史民俗資料館の宝篋印塔などと一括して、しっかりと保存するよう早急に対策を講じるべきでしょう。







ところで、いま話題の広島6区の西側、三原市は、かつての小早川領域になります。
過疎化の進む山村部を抱える6区で、利益と効率だけを重視する堀江社長の手法が、どこまで通用するのでしょうか。





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最終更新日  2005.08.20 13:50:23
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