「ごもくぞ」は熊本の方言なのだが、私の実家がある、熊本県南部地方、
そして天草地方で主に使われているようである。ネットにある熊本方言集で
検索しても、この「ごもくぞ」は掲載されていない。
ということは限られた地域で使用されているものだろう。
この『ごもくぞ』は、枯れた杉の葉、広葉樹の葉、小枝など山に入ったときに
服に付着する、木の葉屑などを指している。でも、天草地方では港の船溜まり
が満潮のとき、岸壁にくっ付くように浮かぶゴミも『ごもくぞ』と言うらしい。
ネットで方言集でないところで『ごもくぞ』を検索すると、その意味は『ゴミ』と
載っていた。
この、『ごもくぞ』は死語に近く、若い人たちはこの言葉さえ知らない人が
多い。私の母はその昔、幼い頃、山に遊びに行って帰ってきた私に向かって
「そん、ごもくぞはなんかい、はよ、つんぶらわんば」
と言っていた。
訳すと「服についた、木の葉などの屑が付いているのは見苦しいから
早く取り払らいなさい」ということである。
「つんぶらう」の「つん」は接頭語で『ぶらう=払う」を強めるものである。
私は私的な名刺を作っているが、その中に『工房ごもくぞ』と使わせて
もらくま