カテゴリ:雑記
最近の事象をメモしておきたい。
・練馬区立美術館『「牧野邦夫-写実の精髄」展』及びその関連イベント 美術館の展示を観覧する前に関連イベントに行った。知人が参加しているので見物した次第。芥川龍之介『じゅりあの・吉助』と宮沢賢治『セロ弾きのゴーシュ』の朗読。両作を題材として牧野邦夫が絵画を制作しているのである。牧野邦夫の奥様がご来場。大坊珈琲店に作品が置かれていることを聞き興味深く感ずる。当該イベントの終盤にシェークスピアの朗読を長く続けている方が紹介されコメントを寄せていた。雄弁な老紳士。面白く思ったので調べてみると一度見たことのある人であった。中野の喫茶店「クラシック」の様子を収めたDVDの冒頭で五木寛之『風に吹かれて』の一部分を朗読していたその人。 後日美術館の展示を観覧。さらにまた後日に大坊珈琲店の絵も観覧。 ・ディディエ・デナンクス『記憶のための殺人』 アンスティテュ・フランセ東京でのR.先生の講義。130412金曜日~130621金曜日の10回シリーズ。 1961年10月17日のパリ。アルジェリア人虐殺の陰で密かに狙い撃ちされていた歴史教師ロジェ・ティロー。その20年ほど後のトゥールーズ。父ロジェと同じく歴史研究に身を投じた息子ベルナール・ティローもまた何者かによって射殺される。二つの殺人事件の発端は第二次世界大戦時のドランシー収容所であった… ベルナールの殺人事件を捜査するカダン刑事が主人公の本作は“Roman policier”であるが日本語にすると“警官小説”となってしまいやや違和感がある。何と言えば良いのだろう。“ハードボイルド小説”あたりが適当か。 建物や自動車や武器に関する言及が散りばめらている。また時代を物語る風俗描写も挿入されている。歴史資料としての価値もあるのでは。個人的にかなり面白かった。 追記;130705金曜日からはディドロ『ラモーの甥』が5回シリーズで開講。 ・東京藝術大学大学美術館『夏目漱石の美術世界展』 130629土曜日に観覧。 漱石をめぐる明治~大正期の美術品が多数陳列されている。陶淵明の詩を漱石が写した巻物があった。美しい。 漱石はイギリスに留学しており西洋の文物にも通じていた。その一方で漢籍にも明るかったわけである。洋の東西が混在する教養。自分が学生の頃にはそれが求められていたような気がする。現代の若者ではどうなのだろう。 ・千葉市美術館『生誕130年 彫刻家・高村光太郎展』 130702火曜日に観覧。 光太郎は私淑する人物である。とはいえ自分は光太郎のように詩を書いたり絵を描いたりできるわけではない。いわんや彫刻をや。憧れの人物と言うべきか。 光太郎の彫刻作品はそれほど多くはないはずである。今回の展覧会に出品されていた物でほぼ網羅されているのでは?と想像する。 木彫の「兎」の精緻さには息を呑むものがあった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013.07.03 11:58:51
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