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テーマ:☆動物愛護☆(3964)
カテゴリ:動物実験関連
今年、「動物の愛護及び管理に関する法律」の一部が改正されました。しかし、動物実験については、今回も大きな進展は見られませんでした。動物実験関連業界側は、法律による規制を嫌い、あくまで自主規制路線でいくことを強く主張しており、実際にその流れにあります。
ただし、自主規制といえども、内外からの批判の声もあるために一応の動物実験指針はつくった方がよいであろうという動きはあり、現在、文部科学省が中心となって「動物実験指針検討作業部会」が開催されています。この部会は申し込みをすれば一般の人も傍聴参加が可能なため、第2回(10月4日)に行ってきました。 今回は関係団体からのヒアリングが中心でしたが、ヒアリングに呼ばれていたのは主に実験関係機関が中心で(日本学術会議、日本生理学会研究倫理委員会、日本神経科学学会、国立大学動物実験施設協議会、公私立大学実験動物施設協議会)、市民団体側からは「動物との共生を考える連絡会」のみが呼ばれていました。 研究者側の見解は、現在でも実験動物に対して充分に配慮して対応していることを強調しており、現状を積極的に改善していくような希望の感じられる見解は、私の感触では見受けられませんでした。「動物との共生を考える連絡会」は、「5つの自由(飢え渇きからの自由、肉体的苦痛と不快からの自由、外傷や疾病からの自由、恐怖や不安からの自由、正常な行動を表現する自由)」を盛り込んだ指針をつくってほしいと要望してくれていましたが、研究者側の反応は冷ややかで「そのような自由を保障できるような具体案は考えているのか」と質問されていました。連絡会の青木氏は、具体案を考えていると答えておられましたが、研究者たちの中、殆ど四面楚歌のような状況で、見ていてハラハラしました。 部会の後、何ともやりきれない、無力感を覚えました。日本学術会議を中心とした研究者側の保守的な考え方を中心にして、今後の実験動物たちの運命が、今、決めていかれそうになっているのです。一般の傍聴も可能になっているのですが、傍聴に来ているのも研究者っぽい方々ばかりで、一般市民の方々の参加は少ないという印象を受けました。研究者たちの内輪の雰囲気の中で、今回の指針が研究者や研究機関にやりやすいように決めていかれてしまいそうな怖さがあります。実験動物の福祉という観点を、また置き去りにされてしまいそうで怖いです。 今後も動物実験指針検討作業部会が行われますので、もしお時間の許す方は、是非、傍聴にいかれて、実験動物たちの福祉向上を強く願っている社会的な要望があることを示していただければと思います。この部会は殆ど形式的な程度の回数しか開かれませんので、私も都合をつけられる限り、なるべく参加したいと思っています。場所は、霞ヶ関の文部科学省近辺で行われることが多いと思います。 傍聴の申し込みは、文部科学省のホームページに掲載されますので、是非、チェックしてみていただければ幸いです。傍聴には人数制限がありますので、傍聴募集の公示が出ましたら、なるべく早く申し込むことをお勧めします。 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/index.htm 上記のページを一番下の方にスクロールして、【会議開催案内】というところをご覧ください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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