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テーマ:☆動物愛護☆(3966)
カテゴリ:動物実験関連
今日は、第3回動物実験指針検討作業部会(文部科学省)の傍聴に行ってきました。いろいろな委員会があり複雑ですが、改正動物愛護法を受けて、前回ブログに書いた環境省による「実験動物の飼養及び保管等に関する基準」の改定作業と並行して、文科省による「動物実験の基本指針」の改正作業が進められており、今日は後者に行ってきました。(さらに、この二つの改正作業に加えて、日本学術会議を主体とする動物実験ガイドライン策定作業も進められています。)
いつもは傍聴に行く度に意気消沈して帰ってくるのですが、今日はちょっと違いました。いつも研究者の方々の間だけで、保守的で希望の見えない議論に終始しがちな印象がありましたが、今日のディスカッションでは、委員の中のお一人である、熊本大学文学部教授の高橋隆雄先生がかなり動物福祉側に立った発言をしてくださいました。それに押されるように、日本動物福祉協会の山口さんも頑張って発言してくれていました。 高橋先生は、現行の記述の文言が3Rを推進するには弱すぎることを度々主張してくださいました。例えば、現行の「(動物実験の実験操作において)動物に無用な苦痛を与えないよう配慮すべき」では弱すぎるので、「苦痛を与えないようにしなければならない」にすべきである、ときっぱりと仰ってくださっていました。それに対して、医科歯科大の教授など研究者側は「鎮痛剤の研究などでは痛みを与えざるをない(従って、規制の強い文言にされては困る)」等々、反対意見が述べられ、複数の研究者の反駁を受けていましたが、それでも高橋先生はひるまず頑張ってくださっていて、その姿に拍手を送りたくなりました。 そんな高橋先生の頑張りに力を得たのか、山口さんも「動物実験委員会には、学外の研究者以外の人間も入れるべきだ」と粘ってくださっていました。もちろん、研究者サイドからは、「実験計画の普遍性と客観性を判断できるのは研究者のみである」ことを強調し、外部の人間、ましてや研究者以外の人間を入れることには猛反対をしており、座長自身も研究者側の考え方のため、結局、議論は研究者側に都合がよいようにうやむやにされてしまいました。 (私見ですが、これらの議論を聞いていて感じたことは、動物実験委員会には動物実験の倫理面を検討する場としては、あまり位置づけられていないらしいということです。倫理面を判断することこそ重要だと思うのですが、その部分を担保する仕組みについては、殆ど議論がなされていなかったことは、問題があると感じました。) とはいえ、少なくとも、今日は研究者サイドだけの独壇場にならず、実験動物の福祉を高めることを強調する研究者外の立場からの見解も見られ、良かったと思います。結局は、多勢に無勢であり、研究者サイドの見解に煙にまかれてしまったようなきらいはありますが(文科省の事務局自体が研究者よりのためいっそう不利なのですが…)、こうした委員に選ばれた方の中に、高橋先生のような方がいらしたことは心強いことだと感じました。 ★★次回の動物実験指針検討作業部会は11月28日(月)午後だそうです。さすがに、次回は仕事で行けないのですが、いよいよ骨子案が出そうな気配です。重要な部会になると思われます。出られる方は、是非、エールを送りに行っていただければと思います。★★ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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