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カテゴリ:仕事と人間心理
まだまだ梅雨明けしない関西。今朝も、目覚めるや、遠くでゴウゴウと何かが吠えているかのように聞こえる雨音が耳元をかすめた。 こんな時、坂本龍一作曲の「レイン」を思い出す。 この曲。坂本龍一自身も著名軍人役で出演した、清朝最後の皇帝(愛新覚羅溥儀)の前半生を描いた映画「ラスト・エンペラー」内で流れた。 離婚を望んだ溥儀の側室、文繍が、(離婚を)認めない夫を押し切って外へ出、雨のなか傘を差し出した従者に 「(傘は)いらないの」 と好意を拒んで自分で歩み出すシーンに、「レイン」の緊迫感あるサウンドはうまく絡み、情景を盛り立てていた。 実際の文繍も離婚後は女学校の教師となって自活。それが、第二次世界大戦や以後の内乱(蒋介石率いる国民党vs毛沢東率いる中国共産党)、結局は共産党が勝利して中華人民共和国が誕生するといった歴史のうねりの中で次第に貧窮。餓死に近い形で孤独死したそうだ。 もっとも、溥儀の他の妻たちも身分を失うや、多難な人生を余儀なくされた。 正妻の婉容は阿片中毒で糞尿にまみれて亡くなったし、文繍と同じく側室で、毛沢東政権下では図書館職員として働いていた李玉琴(福貴人)も、文化大革命の時には迫害を受けたとか。 当の溥儀や弟の溥傑も「一般人」となった後はそれまで特権階級だったがゆえの苦労があり、人が生きるということは、大なり小なり皆おなじだね。 写真は文繍(Public Domain). お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.07.14 19:20:41
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