|
カテゴリ:なんでもレヴュ~
60年代ロック大好きおばさんを自称してますが、私は Sha Na Naというグループに対して大変な誤解をしていました。Sha Na Na は At The Hop というきっと誰もが耳にした事あるであろうあの曲をヒットさせた... (曲調からして)50年代からの一発屋だと思ってました。 ウッドストックが1969年で、彼らも出ていましたが、ドキュメンタリーの映像とかでも実際一曲しかフィーチャーされておらず、てっきり昔のバンドが「懐かしの」という感じで出てきたのかと思ってたけど、あれが結成してから8回目のショー、メジャーデビューとでもいうべき舞台だったそうです。後々、ああ、そんな人達がいたなあという感じ。 んで、ちょっと前に70年代にアメリカで放送されてた音楽番組、Midnight Special を見るのにはまってて、そこでSha Na Na が出てきたのです。カラーで、メンバーも若い。あれ、この人達、オールディーズじゃないんだ? 69年デビューなので70年代前半に売れてたのですが、メンバーはほぼリーゼント、ダックテール、ポンパドール?のヘアスタイル、要は50年代の不良の格好です。バックトゥザフューチャーの、ビフの後ろにいるチンピラのような。つまり、70年代に50年代のパロディをしてたんですね。子供の頃はそんなん分かんないよね。(ちなみに私、子供の頃、「大草原の小さな家」は開拓時代をリアルタイムで撮影してたと思ってた 笑)あの頃の不良の映画で代表的なGreaseにもバンドとして出ていました。グリースってあの不良たちが髪になでつけていた油の事を言ってるのかと思ってましたが、ああゆうたぐいの不良に「Greaser」っていう呼称があった事を、Sha Na Naを知ってから学びました。ロカビリーじゃないんだね。 んで、一人、私のドツボにはまったメンバーがおります。 長身、超細身、馬面、こわもてのハンサム。 2,3曲見てて虜になってしまいました。 彼のニックネームはバウザー。 担当はベース(声の)で、睨みつけるように歌う。 踊ると手足が異様に細長くて10人ぐらいの男たちが駆け回るステージでもひときわ目立つ。 すっかり魅了された所で、彼らが歌の合間にコントのような事をしました。 バウザーがMCなんだけど、喋り声が、なんつーか、うすらおばかって感じで椅子から落ちそうになりました。キャラクターなんだろうけど。 彼らはニューヨーク出身だそうです。 ニューヨーク訛りをさらに大げさにしたように喋ります。 最初はバウザーから目が離せない感じでしたが、だんだん見てるうちにやっぱり他のふつーの兄ちゃんたちにもそれぞれ個性が見えてきて愛着がわいてきます。気づいたらSha Na Na 大好きになっていました。 曲はほぼ全曲(当時からしても)懐メロという感じで、古いドゥ―・ワップやエルヴィスのカバー。At The Hopもカバーなんですね。私もオールディーズ大好きなのでもちろんこれもポイント高い。ガガもアデルもビリーアイリッシュも歌えないのに彼らのカバーしてる曲は歌詞まで歌えちゃう(笑)。 一発屋なんてとんでもない勘違いで、70年代前半には何年も続いた彼らのテレビ番組があったくらい大人気でした。 番組はコメディー調で、ステージの一曲、ゲストをバックアップする一曲、そしてコント数本という、お笑い重視のバラエティー。youtubeには沢山出ていますが、画像が荒すぎて良く見えません。利権を相続した人が無関心なのか、DVD化の話も無視されてるという悲しい現状。出たらすぐ買うわ。私が生まれる数年前の番組なのになぜかほっこりするのです。くさくさしてる夜に見ると安心して眠れるような。 オリジナルの曲も無いのに売れたのは、大人たちは懐かしの曲を歌うグループとして、子供たちには面白いルックスの面白いお兄さんという感じでダブルで受けたからだろうと言われていますが、納得。 しかしウッドストックでメジャーデビューした頃の映像は結構ハードコアで、ちょっと怖い感じ。バウザー(ウッドストック直後に加入)はでかいもみあげがあって、つねに客に筋肉を見せる、喧嘩腰のキャラ。バンドはパンク調でアップテンポすぎてめちゃくちゃ、床でうねりながら演奏したり。 テレビの話が来てから 「おまいらお茶の間ウケを良くしろ!」 って言われたのかなあ。バンドはニコニコのベースのお兄さんになったし、暴言を吐くピアノも自分の服の刺繍の鍵盤を弾いておどけたり、いきなり丸くなった感じ。彼らがすごいのは、10人ぐらいのメンバーが全員リードを歌える事。しばらくメンバー慣れしてない時は急に見知らぬ人が出てきて歌ってるので誰だ?と思うとドラマーだったり。その時は当然だれか他のメンバーがドラムを叩くのだけど、見てる限り全員歌えて、全員2,3種類の楽器を演奏できてるような。それともフリだけなんだろうか。 で、たまにバウザーがピアノを弾いてるんですね。 wiki調べによりますと彼は7歳でピアノを習い始め、12歳で ジュリアードに通う。 神童じゃないですか! こんなふざけたバンドでうすらばかを演じてていいんですか? 私は嬉しいですけれども。 このチンピラ風バンド、他のメンバーも凄い。 まず、もともと彼らはNYのコロンビア大学の学生のお遊び的なコーラスグループだったそう。 その時代の曲やいろいろやったけどオールディーズの受けが一番良かったのでそれにして、地元のバーでたまたまジミヘンに出会い、 「なんかウッドストックとかいうのあるらしいんだけど、でてみいひん?」 と言われたのがデビューのきっかけ。 メンバーがころころ変わったのも、ドラッグがとか音楽性の違いが~じゃなくて、「医師になるため」「教師になるため」とかそういう理由。実際、エルヴィス担当でお尻を振ってたセクシー薄毛のサンティーニは外科医に、モータウン担当のデニーは法律学科の教師に。コロンビア大学って超エリート大学なのです。もしかしたらアメリカで一番IQの高いバンドかもしれない。彼らはちょっとしたお遊びのつもりだったのでしょう、お遊びでウッドストックってすごすぎ!「持ってる」ってこういう事だよな。 バウザーはキャラを捨ててクイズ番組の司会者などしてたそうです。 もちろん彼らも現在はもう70代中盤のお歳で、4人くらいは故人です。 あんなに細かったバウザーもウエスト3倍ぐらいのおじいさん。 ツイッター投稿が多く、ごりごりの民主党員、年金を守るアクティビストをしているらしいです。 集会に行ってはキーボードを弾いて、トランプをディスった替え歌を歌っています (爆 80年代前には黄金時代メンバーはほぼ入れ替わり、たまにバウザーも年を取ってからゲストで出演してる動画がありますが、あのキレッキレの動きはもう影も無いほどで泣ける...。どこで変わっちゃうんだろうねー。当時のSha Na Naはとにかく動いてました。一曲ごとにいろんな所でいろんな事が起こってる。誰がリードを歌ってようと、一曲終わるごとに全員が自分がメインだったようにポーズをとる。アンコールも何回もやるみたいで、一曲終わると一人ずつ走ってぴょーんとステージを跳ね降りる。バンドも演奏を終えてさささ、ぴょ~ん!とはけるのが地味に面白い。とにかくみんな跳ねてた印象。そしてみんな一所懸命で、一秒でも目が死んでる人とか、遠い眼をしてる人がいなかった。汗だくになってくそ真面目に歌って踊っているのを見ると、すっごく元気が湧いてきます。 かなりの量の映像を見てますが、コメントで 「バウザーかっこいい~♡」 っていう人見たこと無い…。 まぁキャラもあるし、変顔しまくりだからかな。 これが彼の決め顔。 口でかい! フランケンシュタイン顔が好きなのかな、私。 この後すぐ普通のおじさんになってしまったけど、この頃が特に神がかってカッコよかったと思う! ラブバラードで投げキッスをした時、まっさきに野郎が叫んだのが印象的だったのだけど… 気のせいかな。 というわけでいまさら Sha Na Na 紹介でした~。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.08.14 02:38:07
コメント(0) | コメントを書く
[なんでもレヴュ~] カテゴリの最新記事
|