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カテゴリ:涙
実母の妹である東京の叔母はいつも私に優しい。
子どもの頃から叔母に憧れていた。 美人で優しい女性と言うのは珍しい。しかも叔母は底抜けに明るいからだれとでも友だちになれる。 彼女も姉である私の母からいじめられていた女性だった。 それが分かったのは4年前。電話で話しながらお互いに自然に母の人となりを話しながら、今まで感じていたことを吐露したことが始まりだった。 叔母は私が幼いときから優しく接してくれた。押し花のしおりを作って「いっぱい本を読んでね」と言ってくれた。 クリスマスカードや芋羊羹を「これは今年頑張ってきた貴女にプレゼントよ」と送ってくれた。 その叔母から今年は年賀状が届かなかった。 年末から何故か胸騒ぎがしていた。 さっき、叔母から電話があった。 「ごめんね、・・・今朝、お父さんが(叔母のご主人)亡くなったの」 「・・・」 声が出なかった。 涙声だったが叔母が一生懸命に話しているのが分かって胸の動悸が激しくなった。 11月半ばから入院していたらしい。 癌だった。 毎日、病院に通いご主人の看病をしていた。 年が明けて今朝、眠るように召されたとのことだった。 家族に看取られてご主人は召された。 叔母は泣きながら「花の未亡人よ。一人だから四国にも行けるよ」と言った。 胸がつぶれるかと思った。 暫くは忙しくなるから落ち着いたら又、連絡するといって電話を切った。 叔母の子どもは二人、とてもしっかりされているので立ち入ったことは控えたい。 「私は貴女を娘だと思っているからね、何でも相談していいのよ。あまえていいんだからね」 いつもそう言ってくれる叔母である。 今年は叔母に会いに行こう。 叔母のご主人のご冥福を祈ってやまない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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