10月4日ボランテイア活動中止の真相
10月4日、那智勝浦町の災害ボランテイアセンターは、何組かのボランテイアを送り出した後、待機が続いた。台風12号の豪雨災害は那智川流域の市野々地区、井関地区、川関地区が特に酷く、災害ボランテイア活動の拠点は中心部になる井関地区にあるが、その拠点にさえ向かう様子もない。やがて、治安の理由で被災地への乗り込みは様子見だと言う説明だが、ボランテイア活動と治安が結びつかない多くのボランテイアは、そんな説明に納得はいかないが、黙って指示を待つほかない。 やがて、治安に影響を与えるのは、大量の銃弾が見つかったからと、噂が流れ、銃弾の正体は散弾銃らしいなどといわれだした。前日にボランテイアの間でシシ屋敷と呼ばれる老猟師の家の床下の泥出しをしていたので、大量の散弾が発見されたのは受け入れられるが、散弾と治安が結びつかない。暫くして、ボランテイア活動のリーダーに噂の真意を確かめると、首を捻るだけだった。話を聞いているそばの老ボランテイアは、天皇陛下の訪問があるのではと言う。それもありえない事ではないが、突然の訪問などないだろうと、リーダーは首を振りながら、情報収集に向かった。 結局、被災地のボランテイア活動は中止となり、那智の浜の流木やゴミの片付けに向かった。12時過ぎに自衛隊のヘリコプターが、砂埃を舞い上げて、近くのグランドに着陸した。食事中の私達は、顔をしかめ目蓋を閉じてヘリコプターを見たが、被災地に何があったかと、色々な意見が出始めた。結局、大量の散弾と自衛隊のヘリコプターから、不発弾の発見などの意見もあり、真相は見えないまま、もう一機のヘリコプターの到着だ。二機の自衛隊ヘリコプターに、ただならぬ事態発生と思いながらも、午後の片付け作業は始った。ところが、不思議に誰も気にしている様子もなく、皆が真相を知っているのかと、疑問に思ったほどだ。 那智の浜での作業は流木の片付けであり、打ち上げられたゴミの片付けである。一人で持てる流木は少なく、二人、三人、、、そして、十人掛りとか、最大で十五人で巨大な流木を片付ける。そん作業を見ていると、集団の力の凄さを改めて知る思いになり、誰かの、「ピラミッド建設の謎が解けたような気がする」の言葉に頷いた。ボランテイアセンターでは、一人で持てない流木は、重機などで片付けるから、そのままにしておくように言われたが、それでは、殆ど片付かない。作業は進展しないので、一組の力自慢が手頃なのを片付ける。その作業をみた別の組も負けじ片付け始める。次第に片付ける流木は大きくなり、三人掛かりとなり、四人掛かりとなり、次第に流木は巨大化していく。一方、女性ボランテイアを中心のゴミの片付けも、壮大な絵巻のように展開していく。そして、小さなゴミは熊手で集められ、流木とゴミに埋め尽くされた那智の浜宮の浜が姿を現す。 泥だしでも、女性ボランテイアの凄さを感じたが、浜のゴミ片付けで、その凄さを再確認した。殆ど経験のない作業に違いないはずの、若い女性の作業振りには感心しきりだ。泥出しなどでは、一輪車さえ巧妙に扱い、障害物の大い細い通路を往復する。中には、20センチ足らずの細い道板の上を警戒な足取りで一輪車を押し歩く、女子大生と思しき女性もいる。 さて、10月4日の被災地のボランテイア活動中止の真相は、治安に関わるとかの噂の真相は、参議院災害対策特別委員会のメンバーの被災地視察であった。今更の思いになる参議院災害特別委員会メンバーの被災地視察だ。しかも、自衛隊のヘリコプターでの、人騒がせな視察である。首相はとっくに視察し、激震災害の指定もされている被災地に、今更、何を見に来たのかは知らないが,参議院災害対策特別委員会のメンバーは、自衛隊のヘリコプターでやってきた。道路の復旧が進み、通行可能となってからの自衛隊ヘリコプターでの視察だ。復旧作業を中止させての視察の結果、首相視察以上の何が、被災地にもたらされるのかと問いたくなる無意味に近い視察と言いたい思いだ。くどくなるが、何がどう変わるのか、疑問を抱かせる人騒がせな、参議院災害特別委員会メンバーの視察だ。台風第12号による被害状況等の実情調査のため、、、、と、マスコミは報じるが、、、、、。