老人差別がまかり通っている
本日26日昼の『TVタックル』で、老人の犯罪者が増えていて、年々増加傾向にあり、今や、犯罪者の2割が老人だ・・と放送していました。 が、待てよ・・じゃないですか。 高齢者数が増えているわけだから、犯罪者数だって当然増える。2023年では高齢者数・3623万人。日本人の約3割もいるわけで、つまり、全体から見て2割なら、「高齢者の犯罪が多い」という分析は正しくない。 世の中、どうも「老人のことを悪く言いたがる」傾向があります。 例えば高齢者の自動車事故が急増している・・という報道がよくあり、自動車事故のニュースでも、高齢者が事故を起こした場合は、すぐに「また、高齢者が」と大々的に伝えるわけです。事故を起こした人物が仮に、女性でもLGBTの人でも、外国人でもことさら強調しようとはしないのにね。いや、むしろ「また女性が自動車事故」と報道したら、女性差別だと散々に叩かれる。事故を起こしやすい女性も、起こさない女性もいる・・と。「LGBTの人が自動車事故」と報道したら、とんでもない大騒ぎになりますよね。 精神科医の和田秀樹氏が、20日付け産経新聞の「正論」に、「令和4年の高齢者の運転死亡事故の割合が、全体の16.7%となり、過去最高になった」とワイドショーで取り上げていたが、免許保有者の2割以上が高齢者なのだから、16,7%という数字はむしろ少ない」 「高齢者が運転が下手で事故が多いというのは明らかなバイアスで、年齢の上限を設ければいいなどのコメンテイターの発言は老人差別だ」と書いていました。 例えば死亡事故以外の事故では、75歳から79歳の免許保有者10万人当たりの事故は372,1件で、25~29歳の414,8件より少ない。85歳以上でも498,4件で、20~24歳の597,2件より少ないそうですよ。 そういう事実に目を瞑り、何故か世の中は老人をひとくくりにして、「老人であること」だけで、問題視しようとする。 「女の腐ったような」とか「女々しい」等の言葉は差別的だと使えないのに、ストレートに差別語である「老害」は、平気でまかり通っていますしね。 男女の差や性的志向の違いや、皮膚の色の違い、出自やらの差別はけしからんと激しく主張しながら、高齢者差別には罪の意識すらなく、「年取ったらおとなしくしろ」が当然視され、安楽死すら提案される世の中。「高齢者」の仲間に入ってしまった身としては、日に日に怒りを覚えるわけです。 その「正論」の中で和田氏は、こうも言っています。「免許を返納すると6年後の要介護率が2,2倍になるという研究がある。これによって200万人要介護高齢者が増えれば、毎年4兆円の公費が必要となる」と。あなたも私も皆、老人になる。だったら、老人が差別されない世の中でいないと。 まずはメディアの意識改革が必要なんだと思いますけどね。