感染症研究で、日本が遅れている背景
日本の新型コロナウイルスの研究が低調なのだそうだ。 日本からの関連の研究論文は数でも質でも、G7で3年連続で最下位。コロナ禍が始まってからの論文数で言えば、1位は米国、2,3位が中国と英国が入れ替わりながらで、20年にはインドが5位に入っているのに、日本は16位、14位、12位とパッとしない。 質をみても、「ネイチャー」や「サイエンス」といった著名科学誌に掲載された論文は、日本は20年に18位、21年に30位とやはり低迷なのだと。 その原因は研究者の数や環境など多岐にわたるが、特に資金力が顕著だ・・と記事では述べています。感染症研究に米国立保健研究所(NIH)が年間約6千億円をつけるのに対し、日本の医療研究の司令塔役となる日本医療研究開発機構(AMED)は年間約90億円と、67分の1なのだとか。 昨今の感染症対策を見ていれば、まあ、そうだろうなぁ、というのは肌感覚で分かりますよね。だって、コロナ禍が始まって3年にもなるのに、いまだ、非科学的な対策が横行しているのだもの。 テレビを見ていった分かりますね。郊外の野っ原で、アナウンサーがマスクしながら中継していると思えば、スタジオでは、アクリル板挟むだけで、皆さんノーマスク。 郊外の山道歩きに、ますくなんか無駄だろうし、アクリル板なんて、ないよりマシ程度の感染防止策でしょうに。 飲食店やデパートの感染対策というのも、ほとんど「周りがやっているから」やってます・・って感じだし。 政府が言うことも、有識者会議の発信も、「科学に基づいた」というより、「周りを見回し、非難されないような対策」としか思えない。ワクチンの効果だって、一向に科学的なデータでの説明が為されていない。 日本人って、科学的根拠よりも、同調圧力でことを決める民族なのではないか。・・とすら思えるような昨今ですよ。こんなことでは、いつまで経っても、日本はコロナ禍から抜け出すことが出来ない。 諸悪の根源はおそらく教育制度で、国挙げて、理系の勉強をしてこなかったせい。そして、基礎研究にお金を掛けなくなったせい。 今日のフジテレビの『報道プライム』で、ロシアのウクライナ侵略を、以前から予言していたという、エマニエル・トッド氏が出演していて、「ロシアの技術系学生は21%いるのに対し、アメリカは7%だ」と。「厳しい経済制裁にもかかわらずロシアが倒れないのは、優れた技術者層の地盤があるから」だと解説していましたっけ。 その理論が的を射ているというならば、日本の未来はかなり厳しい・・ 理系教育と研究にお金を掛けましょうよ。今からでもまだ、間に合うのでは、と期待するのでありますが。