カテゴリ:読書
……桜桃忌騒ぎが一段落して、ようやく太宰治以外の読書に戻っている私。 (自社の太宰本は、これから売れてくれないと困るのだが。汗) とりあえず、何かに憑かれたようにまとめ買いした、私にとっての「休日読書」の数々を列挙してみる。 井上荒野『切羽へ』 切羽へ これ、好きだなあ~私。 落ち着いた文体、さりげない言語センス、ドラマの盛り上げ方盛り下げ方、どれをとってもなかなか私好みである。(←珍しく大絶賛だが。笑) 離島で小学校の養護教師をしている女主人公が、突然赴任してきた影のある男性教師に心を揺らされ……という話だが、人物造型も舞台も、充分にリアルでいい。 離島モノということですでに何かのドラマでこんな話を観たような気も若干するが……映像や役者まで浮かびそうなところがまた良し。笑 何よりも良かったのは、新進画家という設定の、主人公の夫。 喋ること喋らないこと、気が付くこと気が付かないこと、行動のことごとく、私好みである♪ 妻が風邪引いたときの態度とか。笑 しかしキャスティングするとすればトヨエツじゃないだろう。爆 誰かな~。 誰か、読んだ人教えて。 ていうか、近いうちきっとドラマ化だな。うん。笑 次。 森絵都『風に舞い上がるビニールシート』 こちらは、吹石一恵さんで既にドラマ化したやつですね。 この作者のものを初めて読んだが、短編集なのにどれもこれもテイストがあまりに違うのでかえって戸惑う。 何をやりたい? とつい聞きたくなる感じ。笑 重松清なんかの読後感に近いか……小器用なんだけど、迫れないもどかしさというか。 ↑いや、私なんかがいうことではないが。 表題作と、もう一編仏像の修復師の話は、さすがに資料を調べてあるので面白く読んだが、全体的には「ううむ」といわざるを得ない。残念。 桐野夏生『IN』 『OUT』を読んだ頃から、芥川賞より直木賞が面白いかも、と思い始めていた私、今回『OUT』にそっくりな装丁本が出ていたのでジャケ買い。 しかし、内容は何一つ関係なかった……。怒 主人公は女性小説家で、昭和初期のとある小説(架空だが『死の棘』に酷似。笑)の「愛人」モデルをさがすため取材をしている。 取材の過程で、過去の自分自身の恋愛を想起させられ……ということで、自分の恋愛の回想と、架空の恋愛にまつわる妄想、が入り乱れてどろどろ。 しかし取材方法が甘すぎなのじゃないか、といちいち思う。 判断に主観が入りすぎてやしないか? とか。笑 取材して書かれたモノも、小説とも随想ともつかないものだから、まあいいのだろう。 面白いのは、その架空の小説の一節に、まるまる一章を費やしている部分である。 文体とか上手に変えてある。なかなかうまい。 性愛描写だけは、当時にしては露骨すぎる気もしたが…… (ていうか『死の棘』にはなかったしね。笑) いやいや面白い。 次は、海外物に。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
July 13, 2009 08:48:34 PM
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