カテゴリ:読書
1Q84ショックで、それまで読んでいた細々した本の印象がすべて薄れてしまったが、一応思い出す範囲で、書名くらい記しておこう。 まずは古いところから。 池澤夏樹『マシアス・ギリの失脚』 友人に勧められて、はや10年という古い課題図書。 文体に慣れなくて読みづらかったけど、巫女が登場したあたりから最後までなかなか面白かった。著者の代表的長編、として文句なしだろう。 では、最近のもの。 朝井リョウ『桐島、部活やめるってよ』 MOREだったか、若い層向けの女性誌の広告で見て即買いした。 著者は確か早稲田大学の学生である。 バレー部キャプテンの「桐島」が突然部活を辞めたことが、ちょっとずついろんな人の生活に波及していくという、私の大好きなパターンで展開する青春小説。 (江國香織にも似たようなのあったなぁ。タイトル忘れた。) 章ごとに語りの人物が変わるので、学校の中という特殊世界の見え方ややり過ごし方がそれぞれ違っていてリアル。 男子サッカーの場面など、桐島本人がいないのはどうしても不自然さを否めないが…… 私だったらせめて最後に、桐島の彼女視点の章を置いたぞ。 次。 柳美里『オンエア』 どろどろの女子アナ小説。上下巻。 短期間で世代交代して……いつまでも続きが書けそう。笑 全編通じて、ちょびっとしか書かれなかった、育児ノイローゼで自殺した女子アナの影が、不穏な感じで次世代に現れるところに期待したが、特に常軌を逸した展開もなし。 もっと別の展開もできたが、取材ノートを捨てきれなかったか? 惜しい。 ……私の場合「面白い小説」って、いろんな解釈ができたり、人によって違うことを感じ取れるようなものなので、いまの世の中にはなかなかこれというものがない。 というわけで、 ちょっと古いですが、大江健三郎『燃え上がる緑の木』三部作を読み始めました。 また報告します。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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