カテゴリ:読書
夏の初めから読んでいた大江健三郎『燃え上がる緑の木』三部作、ついに読了! なんか、後半は宗教の教義を求める話が中心になってしまい……、「中心の空洞」「正直いって神はあるんですか?」などの章タイトルに顕著なそれぞれの魂遍歴の軌跡、という内容になって、無宗教な私にはまだまだ腑に落ちないところの方が多かった。 そして理不尽な集団の「暴力」に対するスタンスは、いつも通り。 『治療塔』の続編構想まで交えたりして、著者の総決算という感じですな。うん。 しかし私も、これをそれなりに面白く読み通せるようなところまで、大江に親しんできたように思う。 今後も穴埋め的に旧作を読んでいくだろう作家のひとりだ。 全部読んでないとわからんと正直に言うべきなのかどうなのか。笑 あとは、軽い本を。 重松清『小学五年生』 小学五年生 河合香織『帰りたくない』(ノンフィクション) 帰りたくない 長女と同じ年頃の子の生態を把握できるかもしれない本は、周期的に読んでいる。 別に親子関係に悩んでいるわけではないですが、なんとなく。笑 小説では、ちょっと古くなったが、井上荒野を読んだ。 私としては読むのはまだ2作目だけど、上品で好き。リアルかというとそうでもないけど(笑)、人間関係のさじ加減がとても私好みなのだ。 井上荒野『静子の日常』 静子の日常 あと、売れ筋で面白く読んだのは、こちら。 宮部みゆき『小暮写眞館』 小暮写眞館 古い写真館をリフォームして住むことになった一家が遭遇する「心霊写真」「幽霊」現象への謎解き4話を収めた、700ページ超の大作だ。 ちょっと『ウェストゲートパーク』的な(?)冴えないけど人情にあつい探偵役と切れ者のモテ男高校生コンビのキャラが立っていて、いくらでも続編がかけそう。 それなりにリアルに感じられるし。 今月も面白かった! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
November 3, 2010 09:19:14 PM
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