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こもちくらげ編集日記

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[太宰治] カテゴリの記事

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桜桃忌です

今年も無事に達成しました、水底の週間と称する、禁酒ウィーク。……ここを乗り切ると、ああまだ私はアル中じゃない、と思います。↑レベル低い？今日は台風のせいか会社も静かで、私は自席で一日中、戦後の太宰について書かれた原稿を熟読してました。こんな贅沢は、近年あまり許されなかったかも。お酒は先月、夫が新潟に行って（マラソンね）仕入れてきてくれた、銀の翼。辛くてうまっ！読み直しは、「火の鳥」（昭和14年）で。

June 19, 2012

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桜桃忌デート

……今年も無事達成しました、水底の週間と称する禁酒一週間。そして日曜日だった桜桃忌当日は、平田満さんの朗読会チケットを入手したので、先輩Ｅ氏にお付き合いいただき、三鷹へ行って来ました。（一応、黒いスカートを穿きましたけれども、お墓は注意深く避けて。苦笑）朗読の演目は、中期の短編「畜犬談」と、昨年映画化もされた「ヴィヨンの妻」で、やはり女語りでドラマティックな「ヴィヨン」の方が聴いていて面白かったです。ちなみに演目は当日までわからなかったのだけれど、当て推量にちくま文庫の第３巻を持っていったら、マイナーな方の作品がビンゴだったのでちょっと嬉しかった。笑終演後は、Ｅ氏の案内で井の頭公園散策。都内有数のデートコースと心得ておりましたが（笑）、私は人生初だったかも。爆ありがとうございました。

June 19, 2011

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行き先は

そう、一人旅の行き先は、昨年に続き津軽の地でありました。今回は、経済的にも時間的にも（会社の休暇的にも）余裕がなくて、弘前に１泊のみ。お世話になった著者が、今年も弘前大学で夏の集中講義を受け持たれるということなので、応援に駆けつけたのだ。コーディネーターである、著者の教え子のＹ先生（私と同年配の独身男性！）とは、昨年来のご縁であったが、何しろ初対面で居酒屋でひとり飲みをしていた私、再会もなにやら気恥ずかしいこと……今更のようにかわいこぶって、弘前で最も古い喫茶店（「太宰ブレンド」なるコーヒーを出している。笑）に連れて行っていただきましたが、まあ結局、夕方になるとまた大先生と３人で飲むわけで……。笑……ともかく、今回もＹ先生にはすっかりお世話になってしまいました。また、今回は別のミッションもあり、金木も再訪できました♪私の手がけた本は、ちゃんと斜陽館前の物産館に並べていていただいていて、それを自分の目で確認できたことはやっぱり嬉しかった。

August 7, 2010

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天下茶屋

ランニングのあとは、やはりここに立ち寄ってきました……三ツ峠登山口にある、天下茶屋。昭和９年だったか、太宰治が井伏鱒二の紹介で長逗留して小説『火の鳥』を執筆していた場所である。（火の鳥、かなり傑作の予感がしたけど未完なのよね……高野さちよってかなり可愛いキャラなんだけどよく捨てられたよなぁ。もったいない。笑）この茶屋の風景は『富岳百景』に登場するのでご記憶の方も多いと思う……いまは当時の建物は建て替えられて、２階が太宰治記念室になっている。近くにある文学碑は、太宰治文学碑第１号（昭和２８年建立）で、富士には月見草がよく似合ふの名句が刻まれている。……この日も早朝を除き、残念ながら富士は霧の中。竜飛までも行った私だが、実はここを訪れたのは初めてで、感無量でした。行けて良かった！

July 17, 2010

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水底です

関東地方も梅雨入りしたそうで、今朝は朝練に出るはずがラジオ体操まで中止になり、わずか４分のランニングで引き返しました……。せっかく続いていたのに、調子の狂うこと。昨日から毎年恒例の禁酒週間です。「水底の週間」ね。もう桜桃忌がやってくるなんて、１年って早い！食卓に生野菜増やした♪

June 14, 2010

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観てきました『人間失格』＠トーマ

週末。ジャニーズの生田斗真くん（誰？　爆）を起用して話題の『人間失格』を観てきました。……生誕１００年太宰映画、懲りもせずに４作目の鑑賞です。興味のある方、詳細は、カテゴリ「太宰治」からね。爆『人間失格』は大変有名な作品ですが、映画化はこれが初めて。理由は言わずとしれた、全編主人公の一人称独白の内面ドラマだから、なのでしょうね。もやもやした内面のつぶやきの一切を映像化するとなると、それこそほぼ全編朗読、になってしまいそう。笑恥の多い生涯を送ってきました。神に問う。信頼は罪なりや。神に問う。無抵抗は罪なりや？人間、失格。もはや、自分は、完全に、人間で無くなりました。いまは自分には、幸福も不幸もありません。ただ、一さいは過ぎて行きます。……しかし。いかに名文やら有名フレーズが多かろうと、ただ並べただけでは本に勝てない。つまり自分には、人間の営みというものが未だに何もわかっていない、という事になりそうです。自分の幸福の観念と、世のすべての人たちの幸福の観念とが、まるで食いちがっているような不安、自分はその不安のために夜々、転輾し、呻吟し、発狂しかけた事さえあります。自分は、いったい幸福なのでしょうか。……一見幸せそうな奴が実はぐだぐだと、おのれの一顰一笑に気を遣いまた他人の意識しまくって……というのを、たとえばトーマくんがほほえんで立っている映像にかぶせて朗読で述懐させる……という形式で表現するとするなら、たとえは悪いが「ちびまる子ちゃん」における「中野さん」みたいな嫌な登場人物になってしまって、主人公には何の同情もできそうにない。笑ということで、この映画、思い切った作戦（？）に出た。語りを一切排除。ほおー、そうきましたね？期間限定でトーマのカバーにリニューアルした角川文庫版の原作を買わせようという意図がはたらいたのか（笑）、それとも若者はみんなダザイを読んでいるという瞠目に値する判断なのかどうか。ともかく、この判断は正解だったと思う。そして原作の「筋」だけはかなり忠実にたどってあるせいか……ただの「モテ男の女性遍歴」みたいなことになってしまうのは、やむを得ないのか。爆……ていうかお父さんとマルクスの不在は、すでに主人公が「堕ちていく」動機を決定的に欠いてしまっていると思うのだがどうか。笑さらに。（←文句が多い）ジャニーズだからって、ベテラン年上女優陣とのラブシーンだけしかさせないのはどうよ？チェッカーズのナオユキくんが、浅野温子とのキスシーンでかなり騒がれた時代を思い出したぞ。爆さらに！　（まだあるんかーい）ネタばれだが、ジャニーズの先輩森田某なる人物が。中原中也役で登場していまして……京橋のスタンド・バアらしきところで葉蔵（トーマね）に酔っぱらってからみ……「おい、戦争は何色だ？　茶色だよ！　糞と同じだよ！」などと言い出すシーンにはもう、爆笑しそうになりました……幾時代かがありまして茶色い戦争ありました幾時代かがありまして冬は疾風吹きました幾時代かがありまして今夜此処でのひと盛り今夜此処でのひと盛り……中也の「サーカス」という有名な詩の引用のつもりでしょうが。「茶色」は糞などではなく、確か「黄土」とか「中国の大地」とか言われていたような……笑……しかしこの森田某、登場シーンは少ないものの重要な役どころで、トーマくんが無口なせいもあってかなりキャラとして目立っていたようではあります。ファンの方は必見。笑ついでに小林秀雄やら井伏氏やら菊池寛、といった文壇の大物がこのバーに登場したのだが、なんかダザイ本人も外縁にいる感じで（主人公＝ダザイではなく）、そのへんはなかなかおもしろかったかなあ。観る人は、原作も必携で！

February 26, 2010

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みてきました窪塚くん＠「パンドラの匣」

……月曜ですが、１９日は太宰デー。違太宰ファンの先輩と、太宰映画第３弾、「パンドラの匣」をみてきました～。はやっ。先日観た「ヴィヨンの妻」と同時公開だったのだけど、こちらの作品はやや地味だし、いわゆる伝記事項と重ねられる「太宰」役が出てこない。逆に、きっちり文学作品としてみせどころをつくらねばならないのが難しいところ……ちなみに原作は、太宰が戦後初めて「河北新報」紙に連載していた小説だが、今年同紙では挿絵などもそのままに「復刻連載」をやっていたらしい。ちょっとほしかったなあ……。しかし、復刻風の単行本が廉価ででているので、これは買いかなと。笑パンドラの匣さて、キャストの華は、窪塚洋介くん。←実は意外にもまだ好き。笑いや、主人公にするにはさすがに年を取りすぎましたので、いったい何役なのか……と、先輩とクランクインの頃から話していたのですが。……結果。私の説＋先輩の説＋公式発表の「つくし」役。みんな正解だった！　驚つまり、登場人物がちょこっと整理されてたり、とある役柄の美味しい部分だけが回ってきてたり、したのです。ふうむ。映画化っていろいろ考えるんだなあ。しかも、坊主頭かっこいいし。笑肝心の主人公「ひばり」は、染谷将太さんというのかな？文章ではもすこし幼いイメージだったけど、まあ実際はこんな色男でいいのか。笑ほかに、芥川賞作家の川上未映子さんが関西弁の看護婦長さん役をそつなくこなしていて、なかなか楽しめました。鑑賞につきあってくださった先輩、ありがとうございました。

October 19, 2009

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みてきました松たか子の「ヴィヨンの妻」

……もう先週のことですが。封切りと同時に観てきました、映画「ヴィヨンの妻」。６月の「斜陽」に続く、生誕１００年映画第２弾です。地元・津軽と連携した宣伝、前評判の高さ（モントリオール映画祭とか）にちょっとたじろがないでもなかったが（笑）、先日偶然お会いした太宰研究者Ａ…先生も「時代考証がなかなかしっかりしている」と賞賛していて。保守的な私としては、正統派に外れなし……と期待が高まっていた。結果……松たか子きれー。色っぽい！浅野忠信イメージぴったりぃー。ダメぶりがセクシー！と、まあ、非常にノーマルな感想になりました。笑脚本も演出も。「ヴィヨンの妻」だけでなく、太宰の他作品や伝記事項をからめた構成なのだが、これがなかなか嫌みなくうまい。「斜陽」の上原二郎と太宰の生涯を重ねたドラマがよくかかれるが、それよりも大谷と太宰の方がずっと新鮮だった。そしてなんといっても……（以下ネタばれ注意！）……あの下駄屋の娘さんの成長した姿が、ヴィヨンの妻だったなんて！ぬおー。大泥棒ともと万引き犯。ちょっと出来過ぎというか、卓抜な読みじゃん？　笑いやマジメに、あの系譜の女たちだよね。まったくありうることだと思いました。拍手。来週もまだ観ますよ！　太宰映画。

October 16, 2009

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風紋健在

さて台風の日の外出予定とは。……新宿の外れにある老舗文壇バー、風紋における、太宰治作品の朗読会だった♪風紋は、太宰治の「メリイクリスマス」という作品のモデルとなった林聖子さん（御年８１歳！）とその息子卓さんが切り盛りする店である。私は二十代の頃、尊敬するデザイナーに連れられて訪れて以来、すっかりその店のとりこになった。（太宰ゆかりのバーといえば、れいの高いスツールの上でカッコつけている有名な写真が残る、銀座の「ルパン」の方が有名なのだが、雰囲気は雲泥の差である。私は断然、風紋派だ。笑）かつて若い私が、この店で太宰への想いを語りながらつい声を震わせてしまったとき……聖子さんはあのハスキーな声で、「太宰さんはしあわせね」と言ってくれた。いまも忘れない。結婚して、東京の東側に引っ越してからしばらくご無沙汰していたが、昨年訪れて以来、またちょくちょく機会を見つけては顔を出すようになっていた。あのときは、ほぼ１０年ぶりの私に卓さんが「くらげのひとでしょう」と言ってくれたのに感動して……やっぱりこの店だ、と思ったのだ。さて、新聞に告知の出たこの朗読会。定員３０名くらいのところ、必死で頼み込んで３席を確保していたのだ……しかも……私の太宰本の著者を誘った！来てくれないかと思ったけれど、「なんだか恥ずかしい気がするけど」といいつつ、意外に気さくに来てくれた。（残り１席は、私の新宿師匠、フリー編集者＆カメラマンのＴさんに。聖子さんの写真をとってもらいたかったので。）そして、さらに驚いたことに……店にはいると、これまた著名な太宰研究者Ａ…先生がカウンターにひとりでいらっしゃるではないか。「やあ、こんな人に会うからいやなんだ」と言いつつ、著者もそこそこ嬉しそう。私も思いがけずお目にかかることができ、いろいろお話ができて嬉しかった。空きっ腹にウイスキイを飲みつつ聴く「魚服記」。いいねぇダサイブーム。笑

October 8, 2009

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三鷹

……１１年ぶりの禅林寺。夜毎の雷雨が嘘のような、今週一番の快晴である。三鷹中央通りを下り、できたばかりの本を、「彼」の墓前に捧げに行く。墓所はちいさく、目をつぶってでも辿り着けると思っていたが……わからなかった。汗大きな木の陰だった、とぼんやり記憶していたけれど、それが桜の木だったことは思い出せなかった。１１年前はよほど緊張していたのだろう。いや、若かっただけか。笑あのとき。没後５０年はまだまだ「追悼」のムードが色濃く残っていたっけ。青い花を一輪持った私は黒いワンピース姿で、墓前に手を合わせた……けれど。その瞬間を、新聞社のフラッシュ攻撃にあい、捕まえられてつまらない質問を浴びせかけられ、満足な返事さえできず……情けないような泣きたいような、なんともいえない気分で、逃げるようにその場をあとにしたのだった。（そのときのことは、『海月』創刊号に書いた。）あのときの私とはちがう。１９日を微妙にはずした日にやってきたし、黒のジャケットこそはおったけれどもふつうの夏服にグリーンのパンプスを合わせているし、バッグには捧げるべき本がある。……空はあくまで晴れ渡っているし、さくらんぼの箱をかついだ男もいない。……それでも。親切そうな夫婦連れのおじさんに好奇の目で見られ、「おねえさん、ダザイの墓ならこっちだよ」と、……。言われる私はまだまだ未熟者だった。爆見てろ。没後７０年には、私が若い子に声をかけているかも。違

June 17, 2009

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みてきましたサトエリの「斜陽」

……６月１３日。敬愛する太宰治が逝って６１年、今年は生誕１００年ということで明るいイベント、現代的メディアでの話題が満載です。水底の週間というのは、もはや年に一度の修行期間のようになっていますが、今年はちょうど「走れメロスマラソン」（笑）に向けて体重を落とすべき時期にあたっているので、短期ダイエットを兼ねてがんばります。笑……さて１３日、玉川上水入水のその日を選んだわけでもないだろうが、ようやく新宿でも公開になった映画「斜陽」を観てきました！　早朝イチの上映に駆け付けることができたのは、盟友ウツミノリコ氏が在京中だったおかげ！実は内海さんも、太宰研究会の新進気鋭の研究者として売り出し真っ最中。アフィリエイト画像がなかったのだけど（汗）出たばかりの『新世紀太宰治』という立派な論集に、堂々の未発表論文を掲載されている。つねづね私が彼女の演劇・映画に関するセンスを信頼していることもあり、コアすぎる趣味を共有できる仲間が少ないこともあり、これまでにも何度も文学がらみの芝居やら映画に一緒に足を運んでいる。「斜陽」はもちろん二人とも好きな作品で、せりふ（？）を暗記して言い合えるくらい読んでいる。キザですわ。この野郎。みたいな。爆しかし……少々期待しすぎてしまったか……サトエリちゃんのかず子、高橋ひとみさんの「お母さま」。上原二郎はまさかの温水洋一さん。キャストは悪くないと思うのだが……奇異な演出だった。汗冒頭、満開の桜の映像が妖艶に散り始め……たあたりで、いやな予感がしたのだが。笑詳細はネタばれになるので避けるが、時代設定をぼかした演出が大きな改変ポイントで、そのことによって重要な事項がいくつも無視されることになり、そしてその割には細部には手をつけずに……原作のつまみ方のテンポも悪く、なんとも奥行きのない作品に感じられてしまった。むうう残念。サトエリちゃんのデコラティブな胸元とバシバシのアイメイクは素敵に似合っていたし、温水さんの「キザ」なせりふはさりげなくてとても上品だったけれども。けれども。むうう。残念。

June 13, 2009

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新刊

……円満字二郎氏の新刊をいただく。太宰治の四字熟語辞典なんと、さくらんぼ！　素敵な装丁♪中を開くと、版面から書体選びまで、こだわりの一冊である。……なんて、つい見た目から入ってしまった。その内容はというと、用例豊富な四字熟語（ときには造語も？）の使用例を単純明快に分析した、なかなかに読みやすい本になっている。ちいさな疑問に単純なことばで答える、いつもながらの著者の真骨頂であろうか。私がぱっと思いつく「太宰治の四字熟語」といえば……巧言令色傲岸不遜蓬髪花顔あたりだったのですが（もちろんばっちり収録されている）、人間失格なんてのも、もはや四字熟語の範疇なわけで、ちょっと笑いました。

May 19, 2009

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マイ、チエホフ。

今日の帰り道、一瞬の晴れ間に虹を見たので。……カテゴリ追加しちゃいました。笑六年前の或る日、私の胸に幽かな淡い虹がかかって、それは恋でも愛でもなかったけれども、年月の経つほど、その虹はあざやかに色彩の濃さを増して来て、私はいままで一度も、それを見失った事はございませんでした。夕立の晴れた空にかかる虹は、やがてはかなく消えてしまいますけど、ひとの胸にかかった虹は、消えないようでございます。どうぞ、あのお方に、きいてみて下さい。あのお方は、ほんとに、私を、どう思っていらっしゃったのでしょう。それこそ、雨後の空の虹みたいに、思っていらっしゃったのでしょうか。そうして、とっくに消えてしまったものと？映画「斜陽」は、明日から公開。（近くでやっていないが……）

May 8, 2009

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