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6月7日の朝にいきます

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2024年09月03日
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​​​​​​前回、20代の時にコモドドラゴンを見て、編プロに電話報告したことを書いた。
それで思い出したのが、その編プロで私が他一名と共に書きあげた単行本のこと。

家の書庫をあちこち探して、ようやく見つけた。
タイトルは「20代のキャリアウーマン この華麗な女たち」。ルック社刊。850 円也。
裏付けを見ると「昭和52年10月31日初版」とある。
通常は日付より早い出版となるから、本当なら9月上旬に書店に並ぶはずだった。
でも、この単行本、結局は書店に並ぶことがなかったのだ。


この編プロは、当時30歳位の作家(元週刊誌記者)の男性が立ち上げたフリーランスの集団で、
本の裏付けにある説明書きを見ると、平均年齢が26,5歳とある。ちなみに私は23歳だった。
まだ駆け出しの私に、単行本の執筆依頼が来たことには驚いた。
でも若い女性を取り上げる本だと言われて納得し、引き受けた。

内容はというと、当時まだ女性は25歳までに結婚して家庭に入るのが当たり前だった時代で、
そんな中にあって、男性と同じように第一線で仕事をしている20代の女性を職種別に取り上げ、
仕事ぶりや経歴、プライベート、収入までを写真付きで紹介するもの。

取材対象は全部で15人。 その中で、私は本の序文と8名の女性を担当した。
もう一人のライターは、やはり駆け出しフリーランスの同年代女性だった。
私が担当したのは、石垣島出身のファッションデザイナー・宮里あんこさんや、
当時はイラストレーターで後の漫画家・しらいしあいさん等。 

でも、何故、本そのものは出来上がり、今、手元にあるのに、
どうして書店に並ぶことがなかったのか・・・。

発売日が近付いたある時、私ともう一人のライターが編プロの代表者に呼ばれて、告げられた。
「実は出版社が倒産した。前から危なかったけれど、やっぱり駄目だった」。

唖然とする私と彼女。
「え?! 原稿料やこの本の取材にかかった経費はどうなるんですか?」。
取材場所への交通費はもとより、取材相手やカメラマンと一緒に食事をした分等も立て替えている。
駆け出しのフリーランスにとっては、かなり痛い出費だ。

編プロ代表者は、気の毒そうな顔すら見せずに、こう応えた。
「ま、今回は勉強したと思って諦めるんだな。本が出来上がって手元に残っただけましだ。
次の本にかかっていた連中は、本すら出来上がらなかったんだから」

持ち出し各々数万円と、2か月近くかかった取材や執筆の日々は結局泣き寝入りに。
そもそも当時は大手の出版社が相手でも、契約書を交わすことは皆無な世界。
口約束で、だいたいの原稿料を決めて、仕事にかかっていた。


残った単行本には、表紙カバーの袖に当時の編プロ9人のメンバー集合写真が載っている。
名前まで覚えている人は代表の作家のみ。他の7人は名前すらすっかり失念してしまった。
私の写真、というと、驚くほど幼い顔で、そして細いΣ(・ω・ノ)ノ!
あの頃は、確か40Kgくらいしかなかったなあ。ウエストなんて48cmだったΣ(・ω・ノ)ノ!Σ(・ω・ノ)ノ!

コモドドラゴンからの連想で、突然思い出した50年近く前のこと。
まだまだ私の記憶の引き出しの奥には、眠っている事柄があるんだろうな。








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最終更新日  2024年09月03日 15時53分38秒
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