ねえさんにはほぼ毎日いろいろあるのよね

子供のように　純粋な村。
『トンマッコルへようこそ』を観た。

朝鮮戦争の最中、連合軍・韓国軍・人民軍という敵同士の兵士たちが偶然たどりついた小さな村。
お互いの姿を認めたとたん銃を向け合うが村人たちの“脱力モノ”の言動に気を削がれる。
誰が戦争を始めたかもわからず命令のままに戦ってきた兵士たちは
銃さえ見たことのないトンマッコルの人たちから真の平和を教えられる。


おととい観た『父親たちの星条旗』が戦争モノならこれもそう。
でもわたしはこっちの方が何倍も好きだし反戦の心を強くした。

ジブリの映画が好きっていう監督さんだそうで
村までの山の中も村の中もとっても幻想的な世界になっている。
とにかく村の人たちがいいのだ。
銃を向けられてもその脅威さえ知らずに猪に畑を荒らされる心配をしてる。
村唯一のインテリ“キム先生”は片言の英語でアメリカ兵に話しかけるが
ちぐはぐな内容で相手を怒らせてしまう。
怒らせてしまっているにもかかわらず「センキュー」と締めくくってどこかに行ってしまう。
まぁそんなシーンに始まって「子供のように純粋な村人たち」は本当に微笑ましい。
でもこれは戦争映画。
どんなにメルヘンチックでも、死んで欲しくない人が死んでしまうのだ。
久石譲さんのやさしい音楽が戦闘シーンさえ美しいものにしてしまう。
だから死んでほしくない人たちはとってもきれいに死んでいくのだなぁ。
各軍の兵士たち６人もいい味だしてたよ。
「もっと違う場所で出会っていればきっと楽しかったんだろうな」という台詞は
映画の中だけじゃなく、北と南では今ほんとうにあることなんだよね。
韓国で大ヒットしたっていうの、わかるわかる。

この秋、劇場で1本だけ観るっていうなら間違いなくこの映画をお勧めする。