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カテゴリ:poem
『 無 題 』 あなたの ことを わかりたいと 思うけれど 光の明快さで どこまで わけ入っても その 光 故に 背後にかき消されてしまうものがある わかってしまったものは すべて 既知として 死へ向かう 一体 何がわかったというのか 「いつも光で満ちあふれていますように」というが あまりにも明快な光の一方で、今は闇だけが光彩を放っている 闇の前に呆然と立ちすくみ、しかし訳のわからぬ意志だけが確かになって来る 闇こそが、愛や信頼を生むものであったのだ だから、何もわかってなどいないのだ 闇―――わからぬもの こそが未来を創り上げていくのだ 私は あなたに 向かう 私は あなたの闇を受容し 対峙する 闇の中に 確かに存在し形をとろうとしているものに祈りを捧げるのだ そして、わかりたいという意志そのものが 残る. Copyright(C) 1993 HOKUSUI-SHA All Rights Reserved. ---------------------------------------------------------------------------- ※この詩は、その昔、わたしが人生の伴侶を見つけた時に、便箋にさらさらと書き写したものである。つい最近、書庫を整理していたら出て来た。便箋一枚とて侮れないものである。整理整頓は必要であるが、何でもかんでも捨ててしまうという生活にはなかなかなれない。たまに、整理したりすると、思わぬ宝物がでてきたりして面白い。 ※写真は、この4月3日(火)の夜空です。薄曇りの空から、時々満月が顔を見せていました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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