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テーマ:知的障害者福祉(47)
カテゴリ:人権問題
下記のニュースを見た時には、本当に様々な思いが交錯した。
しかし、「信じられない」とは思わず、「そのようなことが潜在的にはあるのではないか」とも思った。 今もなかなか整理がつかないのだが、一方的に施設が責められる問題ではないと思う。 結婚した後の様々な現実的な問題を、支援する側が具体的に説明し、それを本人たちがどのくらいの覚悟で受け止めての決断を促すのは、当然のことだと思う。 障碍にも色々ある。身体障碍、精神障碍、知的障害と大まかに分けられるが、ほとんどは複合的な課題を抱えている。 健康なカップルでも結婚して子どもを産み育てるには、様々な課題がある。 それを全部本人たちの自己責任にすることはできず、家族的・社会的・経済的サポートが必要だ。 ましてや、様々な課題を抱えやすいハンディを持つ人達の結婚と出産には、よりきめ細かい支援が必要だ。 現在の福祉の支援体制の中でそれができるのか。私はとても難しいことだと思っている。 私は、今回のグループホームで、結婚したいというカップルの気持ちを尊重し、それを支援者側がどれだけのサポートが可能かをはっきりと示していたことは、間違いではなかったと思う。 しかし、施設でのサポートを受けなくてはならない当事者が、わが子を抱きたいという人間本来の思いを自ら封じたであろうとも想像できる。 強制ではなかっただろうが、結婚するためには捨てなくてはならないことがあると突きつけられたともいえる。 ただし、この話し合いの時に、もしも結婚して施設を出て暮らす時のサポートの社会資源についての具体的な説明があったかどうかだけは、少し気になっている。 どうかすべての人が、このニュースをきっかけに、自分の問題として考えてほしいと思う。 ちなみに、私が親だったなら、やはり不妊手術に同意するだろう。 次第に高齢化する自分が、孫の世話を買って出る自信はないと思うから。 また、自分がハンディを持っていて、施設を出て二人で結婚生活を送ることが困難だと思ったら、やはり同意するだろう。 社会的資源の活用をしながらの子育ての可能性を見出せたら、二人で生活保護やヘルパーなどの社会的資源を使いながら、頑張ってみようと思うかもしれない。 その時に一番重要なことは、好きな人との結婚を認めてもらい、堂々と夫婦としての暮らしを送ることだから。 江差「あすなろ福祉会」、知的障害者の結婚に不妊処置 20年前から条件化、8組に実施 拒めば退去要求12/19 11:00 更新 北海道新聞 江差・施設の不妊処置要求「あり得ない」 福祉関係者に衝撃 支援のあり方問う声続々12/19 23:10 更新 北海道新聞 江差町の社会福祉法人「あすなろ福祉会」が運営するグループホームで、知的障害がある男女の同居や結婚を認める際に不妊処置を条件として提案していた問題で、道南のグループホーム運営者や福祉関係者に「あり得ない」と驚きが広がった。ただ、障害があるカップルの生活や子育てに支援が必要なのは事実で「支援のあり方や障害者のせいについての議論が広がってほしい」という声も上がっている。 「あまりに時代錯誤。課題はあるが、希望する人生を送れるよう、一緒に模索するのが福祉ではないだろうか」。老人ホームや障害者施設を運営する社会福祉法人七飯有隣会(七飯)の横田有一理事長(74)は語気を強める。同法人の運営するグループホームは4ユニット(定員計28人)あり、利用者の中には結婚して子どもを産んだ夫婦もいた。夫婦はグループホームを出てアパートで暮らし、子育てではヘルパーなどを利用した。横田理事長は「法人だけではできない支援もあり、外部との連携が大切」とする。 道南の別の社会福祉法人でも職員から「あり得ない」「がくぜんとする」などの声が上がったという。この法人が運営するグループホームでも、過去に結婚した夫婦がおり、子どもはこの法人の保育園に通った。職員らが育児相談に乗ることもあったという。担当者は「今も、利用者に結婚したいという希望があれば、職員は寄り添う」と強調する。 ただ、福祉関係者は口をそろえて「課題がある」と訴える。妊娠の可能性を考慮できずにせい行為を続けてしまったり、危険性を考えられずに交流サイト(SNS)で出会いを重ねたりするケースも考えられるという。 道南の障害者支援施設を運営する法人の担当者は「性欲は誰にでもあり、抑えることは難しい。その先に待っているのは子育ての問題。誰が支援するのか、費用はどうするのか。(あすなろ会の言い分が)分かる部分もある」と明かす。障害者のせいの問題が業界でタブー視されてきた側面もあるとし「業界全体で考えていかなくてはならない」と訴える。 函館市内の障害者就労支援事業所の男性経営者も「どのように支援すべきか、もっといろいろな機関を巻き込んで議論する必要がある」とする。 道南知的障がい児・者家族会の安田由美会長(57)は「障害者が『子どもを産みたい』と言った時に『支援できない』と突っぱねるのではなく、他のサービスや自治体などと相談しながらできることを考えてほしかった。どうすればいい選択になったか、道の調査などで明らかにしてほしい」と話している。(石川実和、中橋邦仁、鹿内朗代) 《注》書き込もうと思ったら、「本文にわいせつ、もしくは公序良俗に反すると判断された表現が含まれています」と投稿できなかった。 なぜだと思い、「性」の漢字を「せい」にしたら書き込めた。うーん? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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