「沈黙の同意」ロベルト・エベンハルト
お気に入りに入れてある宮内勝典氏の海亀通信で、下記の記事を読んだ。 May 14,2005アミラ・ハス著『パレスチナから報告します』(くぼたのぞみ訳 筑摩書房)を読みつづけている。イスラエル人女性でありながら、ガザ地区やヨルダン川西域の占領地に住みついてパレスチナの現状を生々しくレポートしている一冊だ。血の匂いする。虐げられた人たちのうめき声が聴こえてくる。詩人でもある訳者が巻末に添えている一篇の詩が、胸にぐさっと突き刺さってくる。 敵を恐れることはない……敵はせいぜいきみを殺すだけだ。 友を恐れることはない……友はせいぜいきみを裏切るだけだ。 無関心な人びとを恐れよ……かれらは殺しも裏切りもしない。 だが、無関心な人びとの沈黙の同意があればこそ、 地上には裏切りと殺戮が存在するのだ。 ロベルト・エベンハルト今の世界も日本も、「無関心な人々の沈黙の同意」が充満しているように思う。