祖先の数は膨大。だから、どんな遺伝子だって持ってるさ。
数日前、ある人の話を聞く機会があった。お子さんが軽度発達障害だったが今は社会人で自立している。ご自分は幼少時から家庭環境が最悪の中育ち、逃げるように結婚して出産したが、色々あってバツ2で子どもを育ててきた。そんな中でのストレスで精神疾患を発症し、現在も治療継続中。彼女の現在の一番の不安は、「身内に精神障害の人がいるし、私もこうなので、我が子もやがて発病するのでは」ということ。そして、人をあやめることにでもなったらどうしようと不安はエスカレートしてしまうそうだ。そんな風にどうして思うのかと聞けば、身内の人に言われたとか…。私は、このような話は45年前から聞き続けている。「お子さんの障害は、先祖のせい」とか、「そんな病気になった人はうちの家系にはいない」と配偶者の身内から責められたりとか、「祖先の供養をしないせいだ」「先祖の誰かの霊が悪さしている」などなど。それも、宗教関連で聞くことが本当に多い。そんなことを聞くと、私の心には条件反射のように怒りが吹き上げてくる。だからムキになって反論する。「誰だって、膨大な数の祖先を持っているのだから、その中には極悪人だって、善人だっているはず。当然、病気の人も障害を持っていた人や、大変な恨みを抱いて死んだ人だっているはず。自分の祖先を10代前まで遡れる人がどれだけいるかわからないけれど、あの日本で一番祖先がはっきりしていると言われている天皇家だって、きれいごとばかりのおウチじゃありません。そんな他人のいい加減な言葉を真剣に受け止めて、不安のスパイラルに入り込まないでほしい。」まあ、そんなことをもう少し穏やかにではあるが話した次第。今日、そのことを思い出して、「10代前までの先祖(両親も含め)が何人いるか数えてみた。私の計算が間違っていなければ、1024人。ついでに、歴代天皇の10代前はと調べたら、桜町天皇(在位1735-1747)だった。あと二代遡った祖先の数は4,096人になっちゃった。多分日本人だけじゃなくて色々な国(韓国、朝鮮、中国はもちろんその他の国だって)の祖先もいるだろうし、どんな人がいたっておかしくない。それもそうだけど、私の命はそれらのご先祖様が命をつないでくれたおかげと思うと、何ともありがたくなってくるじゃありませんか。それに、それだけのご先祖様の中には性悪な霊もあるかもしれないけれど、普通に考えたら大切な子孫に悪さをしたいとはあまり思わないんじゃないかな。(霊が存在すると仮定してだけど)それでも、時には見知らぬご先祖様たちに思いを馳せてみるのも悪くはないですね。