2018年のノーベル医学生理学賞、本庶佑氏ら2氏に
2018年のノーベル医学生理学賞、本庶佑氏ら2氏に10/2(火) 8:51配信 【10月2日 AFP】スウェーデンのカロリンスカ研究所(Karolinska Institute)は1日、2018年のノーベル医学生理学賞(Nobel Prize in Physiology or Medicine)を、がんの治療法に革命的な変化をもたらした功績により、京都大学(Kyoto University)の本庶佑(Tasuku Honjo)特別教授、および米テキサス州立大(University of Texas)のジェームズ・アリソン(James P. Allison)教授の2氏に授与すると発表した。 受賞理由は、「免疫を抑える働きを阻害することでがんを治療する方法の発見」。 授賞式は、1896年に死去し遺言でノーベル賞を創設したアルフレッド・ノーベル(Alfred Nobel)の命日である12月10日に、スウェーデンの首都ストックホルムで開催され、両氏は同国のカール16世グスタフ国王(King Carl XVI Gustaf)から賞を授与される。 賞金900万スウェーデンクローナ(約1億1500万円)は、両氏で分け合うことになる。「定説を覆す」「わが道を行く」研究の原動力は好奇心 本庶佑氏ノーベル賞10/2(火) 8:00配信 産経 本庶佑さんは研究の原動力を聞かれると「何かを知りたいという好奇心だ」と即答する。研究する上で大切なことは「好奇心」「勇気」「挑戦」「確信」「集中」「継続」。それぞれの英語の頭文字から「6つのC」と表現する。それは自身の人生そのものだ。 「定説を覆す研究でなければ科学は進歩しない。学問の世界も保守的で、定説に沿わないような論文はなかなか認められず苦労するものだが、後世に残る研究とはそういうものだ」 平成17年、京都大医学部の最終講義では、こう語った。「目標は難しいほど魅力がある。誰もが見向きをしないような石ころを拾い上げて、ダイヤモンドに仕上げていく。どうなるか分からない混沌とした状態の中から立ち上げていくところに大きな魅力を感じる」 科学者を目指す若い人には、こんな言葉を贈る。 「教科書に書いてあることが全部正しいと思ったら、それでおしまいだ。教科書は嘘だと思う人は見込みがある。丸暗記して、良い答案を書こうと思う人は学者には向かない。『こんなことが書いてあるけど、おかしい』という学生は見どころがある。疑って、自分の頭で納得できるかどうかが大切だ」 現在も特別教授として研究チームを引っ張る。世界との競争は激しいが「僕らは100メートル走のような競争はしない。皆があっちを向いているときは、こっちを向いてやる。わが道を行く」と語った。「丸暗記して、良い答案を書こうと思う人は学者には向かない」とは至言であろう。今後、ノーベル賞を受賞する研究者は減るかも。