「9条 やめるんですか?」北海道新聞社
加藤多一さんの本をもっと読みたいと思い、図書館に行ってみつけた本の一冊。 9条やめるんですか?―北の国から憲法を考える単行本– 2007/7 北海道新聞社(編集), 道新=(編集), 北海道新聞=(編集)執筆者は、加藤幸子・坂本勤・菊地慶一・アト゜イ・小野有五・いなむら一志・三浦光世・若松みき江・加藤多一の9人。北海道に縁のある作家など九人が、それぞれの思い出や暮らしとからめながら憲法九条について考えを巡らしたエッセイ集。2007年に北海道新聞社から発行されたブックレットだが、まさに多くの人達に今読んで欲しいと思った。今日のニュースでは、安倍首相が下記のようなことを言ったことを知った。安倍首相、現行憲法について自身の「代物」発言を撤回せず(産経新聞)安倍首相はどのくらい歴史を学び、憲法を学んでいるのか。戦後生まれの苦労知らずのおぼっちゃま首相は、戦争がどのようなプロセスで国民に多大な犠牲を強いたのか、真摯に学んではいないのだろう。また、安倍首相のめざす美しい日本は、どのようなことをイメージしているのか。9条をなし崩しにして、文民統制の枠をゆるめ、自衛隊を限りなく軍隊に近づけて、制服組の考えを尊重するということはどういうことなのか、本当に日本の歴史と考え合わせているのだろうか。今までのやり方でどのように困ったことがあるのか、私はまだ明確な説明を知ることができずにいる。掛け声だけで強い国になれないことも、私たちの国の歴史は教えてくれているではないか。何よりも、たとえ押し付けられたきらいがあるとはいえども、私たちはこの憲法を喜んで受け入れ、大切にしてきたのではなかったか。大多数の国民の気持ちは、首相一人の信念というか妄想的願望で無視してもいいのですか。昨日は中川郁子農林水産政務官のスキャンダルにがっくりきたけれど、もうスキャンダルでもなんでもいいから、安倍首相の暴走を止めて欲しいという気分である。そうそう、もう一冊借りてきた文藝春秋新年号。この中に、戦後70年「70人の証言」という記事があるのだが、A級戦犯で処刑され、靖国神社に遺族も知らぬ間に合祀された人の息子さんとお孫さんの手記があった。木村太郎氏(木村兵太郎陸軍大将の息子)と、廣田弘太郎氏(廣田弘毅元首相の孫)であるが、お二人共靖国神社の合祀には違和感を抱いており、分祀や取り消しを希望している。これを読みながら、祀られている人たちも複雑な気持ちだろうと思った。私の父は占守島で戦後の戦いの後ソ連に抑留して帰還したのだが、絶対に靖国神社には行かないと行っていた。「むちゃくちゃな戦争を続けた奴らと、俺の戦友たちは一緒にはいたくないに決まってる。 みんな故郷の神社に帰ってるさ。」昨日、友人と一緒に図書館に行き、そんな話をしたのだが、千鳥が淵戦没者墓地と、靖国神社は本当に近いのだという。(私は、残念ながらどちらも行っていない)首相はじめ政治家たちは、なぜ靖国神社にこだわるのだろうか。少なくても靖国神社に祀られている人は、氏名やご遺族もわかっている人たちだろう。本当にその悔しい死を悼まなくてはならないのは、千鳥が淵に眠る無名の人たちではないのだろうか。