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カテゴリ:弁理士
弁理士試験に関するアンケートが届きました。最近、弁理士会の会長選挙などもでも弁理士の合格者の増加の問題や弁理士試験の見直しなどが取りざたされております。弁理士試験の合格者数については確かにちょっと多すぎるかな、500人くらいでいいのでは?と思います。また、弁理士試験については他の資格や院卒で免除とかはなしにしてみんな平等に試験を受ける試験にした方がよいと考えております。実力があるなら試験で証明してよ!と思います。2年間免除とかはまだマシ。一応試験に合格しているから。択一はまぁいいとして、論文まで2年免除ってやりすぎかも、、と思います。まぁ、この辺りはいろいろ議論のあるところでしょう。 それはさておき、このような議論の中で2つくらいおかしいと感じるところがあります。一つは技術科目必須論と弁理士の社会的役割認識必須論です。 (1)技術科目必須論 これは、弁理士たるもの技術の理解が必須であり、たとえば、選択科目の技術科目を必須にすべきというものです。 私はすくなくとも弁理士試験科目としては必須ではないと思います。理由のひとつは、商標など技術的知識がなくてもやれる分野での弁理士を軽視した多数派の特許専門弁理士の独断と偏見の主張であるからです。二つ目の理由は、最低限の技術的理解力としては、特定侵害訴訟代理試験にでてくるようなおにぎりや真空パックのような単純な技術を技術的に理解する能力さえあれば十分であり、それ以上の能力は合格後に補えばよいからです。三つ目の理由は、一方で技術的な知識を要求しながら、他方で、技術知識と一言で言っても多様であり、例えば合格時に機械系だけの知識さえあれば、化学系や電気系の知識がなくてもその分野で弁理士の仕事ができるというのは矛盾があるからです。 (2)弁理士の社会的役割 弁理士の社会的な役割について認識を欠く弁理士試験合格者=弁理士の専権業務を遂行しようと努めようとの認識を欠く者という扱いがなされているそもそもの前提がとても気になります。専権業務が中核であることは疑いようがありませんが、それを遂行しようと努めようとの認識を欠く者=弁理士の社会的な役割について認識を欠く者というレッテルの貼り方が私には理解しづらいです。弁理士の社会的な役割ってそれだけなの?と言いたい。こういう狭い了見の方は、もう一度弁理士法第1条を読んでもらいたい。「業務の適正を図る」は手段、「工業所有権の適正な保護及び利用の促進等に寄与し、もって経済及び産業の発展に資すること」が目的。そして、その目的達成のために各個人が様々な立場、環境でそれぞれの専門知識を適正に活用するというのが弁理士の社会的な役割であると思います。典型的な特許事務所の弁理士さんの業務だけが、弁理士の社会的な役割ではありませんし、ましてやその認識を欠くものを試験で落としたいという発想自体が、ズレているように思えてしょうがない。それを口述試験で聞いたところで模範解答を覚えればおしまいだし、意味がないでしょ?試験はあくまで試験。むしろ、時代についていけない旧体制の弁理士が自分たちのこれまでのやり方を守るための叫びとしか思えない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年11月04日 23時05分45秒
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